中国企業、エヌビディア「H20」の発注急増 ディープシークAI採用で

 複数の関係筋によると、中国企業が米エヌビディアの人工知能(AI)半導体「H20」の発注を大幅に増やしている。同社ロゴの資料写真(2025年 ロイター/Mike Blake)

[シンガポール/北京 25日 ロイター] - 複数の関係筋によると、中国企業が米エヌビディア(NVDA.O), opens new tabの人工知能(AI)半導体「H20」の発注を大幅に増やしている。

中国の新興企業ディープシークが開発した低コストAIモデルの採用が増えていることが背景。

先月、ディープシークが世界的な注目を集めて以降、テンセント(0700.HK), opens new tab、アリババ(9988.HK), opens new tab、字節跳動(バイトダンス)がH20の発注を「大幅に増やしている」という。

3社は社内で先進AI半導体を必要としているほか、自社のクラウド上で顧客企業にAIサービスを提供している。

エヌビディアの市場支配力が浮き彫りになった。H20はエヌビディアが中国市場向けに設計した。具体的な発注額などは不明。

また関係筋によると、ヘルスケアや教育といった分野でも中小企業がディープシークのAIモデルとエヌビディアのH20を搭載したAIサーバーを購入している。

これまでAIコンピューティング・システムを搭載したサーバーを購入していたのは、資金力のある金融機関や通信企業に限られていたという。

ロイターの報道によると、米国のトランプ政権はH20の対中販売について規制強化を検討している。 もっと見る

規制強化に対する懸念が発注急増の一因となった可能性があるが、関係筋はディープシークの登場が背景だと指摘している。

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