悠仁さま明日、成年の記者会見 注目はその「第一声」 答えにくい理想の結婚相手にはユーモアを交える?
3月3日に秋篠宮家の長男、悠仁さまの成年の記者会見が行われるが、国民がその人柄を初めて知る機会とも言える。皇室番組放送作家のつげのり子さんは「皇室の行事の中で、今年一番の関心事」ととらえ、これまでの皇室の方々の会見を振り返り、注目しているポイントがあるという。
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悠仁さまは、昨年9月6日に18歳の誕生日を迎えられたが、学業を優先するために成年の記者会見や成年式は高校卒業後まで先延ばしとなっていた。
これまでの成年の会見では、成年を迎えての感想や皇室の今後のあり方などのほか、趣味や家族、さらには「理想の結婚相手」といった質問も受け、じっくり時間を費やしてご自身の言葉で答えていた。
かつては20歳、現在は18歳を成年として大人と定義しているが、事前に質問の答え方を準備しておくとはいえ、まだ慣れていない悠仁さまにとってはハードルが高いものだと想像される。ただ、こうした記者会見での質問にユーモアを交えて答え、それぞれのお人柄が色濃く表れた会見も多い。
1985年11月に会見をした、悠仁さまの父である秋篠宮さま(当時は礼宮さま)。つげさんには「等身大の大学生」に映ったと振り返る。
会見で、趣味のギターやカメラについて聞かれた秋篠宮さまは、「ギターは弾きたくなったときに弾く程度。写真は撮りたくなったときに(撮る)」と話された。
「記者は『ギターでこんな曲を、こんな気分のときに弾いています』といった回答を引き出したかったと思いますが、秋篠宮さまは“記者が期待するようなことは言わない”と構えていらっしゃったのかもしれません。そんな姿にはある意味、“等身大の若者”という印象を受けました」
理想の結婚相手にユーモア
答えにくい質問と言えば、「理想の結婚相手」に関するものだろう。
90年4月に会見した黒田清子さん(当時、紀宮さま)は、兄である天皇陛下の“事例”を交えてユーモアたっぷりにかわされた。
天皇陛下が皇太子時代の85年に行った25歳の誕生日を前にした記者会見で、結婚についての質問に「30歳前のほうがいい」と回答されていた。それを引用した答えで、つげさんも印象に残っていると言う。
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「黒田清子さんの成年の記者会見は、昭和天皇の崩御があり、1年先延ばしになっていました。そこで聞かれた結婚の時期について、『いついつまでにと申し上げてしまいますと、かつて記者会見で30歳までにと話された皇太子殿下のようなことになるので』と話されていました。
その切り返しだけでなく、全体的におおらかで明るく、ユーモアも交え、ボキャブラリーも豊富で、改めて思うと、2022年3月に行われた、天皇、皇后両陛下の長女愛子さまの成年の記者会見に通ずるところがある感じもしますね」
天皇陛下と雅子さまが結婚されたのは93年のこと。黒田清子さんの会見のあった90年、「30歳」と宣言されていた兄である天皇陛下は、お相手候補の名前はあがるも、まだ結婚はされていなかった。
注目はその「第一声」
男性皇族による成年の会見は、秋篠宮さま以来、40年ぶりとなる。そんな悠仁さまの会見でつげさんが注目するのは、「第一声」だ。内容はもちろんだが、声そのものにも注目していると話す。
「悠仁さまがどんな声で話されるのか、国民もよくわかっていません。そして、冒頭でどんなお話をされるのか、気になるところです。愛子さまの場合は、福島県沖を震源とする地震のお見舞いのお言葉から始まりました。今でしたら、岩手県大船渡市の山林火災について寄り添われる言葉からお話しされるのか、注目しています」
「第一声」の次に注目するのが、ご家族に関する回答に出てくる”導火線”だ。”導火線”とは、秋篠宮さまの気が短いことをたとえて出てきた言葉だ。
11年10月、秋篠宮家の長女の小室眞子さんは成年の記者会見で父について問われ、「かつてはよく怒る父親でございましたけれども,最近はすっかり丸くなっております」と答えている。
そして、秋篠宮さまは14年11月の誕生日にあたっての記者会見で、ご自身のことを「導火線が短い人間なものですから」と話された。それを受けて、同年12月、次女の佳子さまも成年の記者会見でご自身の性格を「父と同じように導火線が短いところがありまして」と話されている。
この”導火線”について、悠仁さまはどんな形で触れられるのか、つげさんは密かに注目しているという。
「秋篠宮家のご家族の関係性など、当然、ご家族に関する質問は入っていると思いますが、両親との関係、姉の眞子さん、佳子さまの関係は知りたいですし、普段どんなことを話されているのかなど、具体的なエピソードが出てくるのか注目しています」
悠仁さまの記者会見は、「第一声」から見逃せない。
(AERA dot.編集部・太田裕子)
◎つげのり子/放送作家。ノンフィクション作家。2001年の愛子さまご誕生以来皇室番組に携わり、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。日本放送作家協会、日本メディア学会会員。西武文理大学非常勤講師。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)がある
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