やめときゃいいのに。このご時世に自作PC組むのに使ったパーツと価格を大公開

Image: Kyle Barr / Gizmodo US

やめときゃいいのに…。自分でもやめた方がいいってわかっているのに…。組んじゃったよ、自作PC。何もかも値上がりする今、米GizmodoのKyle Barr記者がやめときゃいいと思いつつも自作PCを組んだ体験談。以下、翻訳です。

「今はPC自作する時じゃない」という自分のアドバイスに耳を貸さない自分。コスト的に最悪の今、パソコンをゼロから組んでしまいました。

わかりきっていたことなのですが、結果として非常に(コストが)高い冒険となってしまいました。自分の予算内でなんとかしようと、欲しいパーツ、安いパーツを探し、オークションサイトeBayと睨めっこしつづけたこの数ヶ月。組み始める前からすでに過酷な戦いだったわけですが、さてその結末は…!?

今回組んだPCとまったく同じ構成で数ヶ月前に作っていれば、たぶん総コストは1000ドル(約15万円)以下に抑えられたと思います。各パーツの現在の価格、欲しいけど手に入らないパーツと同等の別パーツを考えると、画質1440pのミドルサイズタワーを仕上げるのにかかった費用は1300ドル(約20万円)ほどとなりました。

ただ、実際に僕が使ったお金でいうと実質500ドル(約7万5000円)ほど。新品パーツをお店で揃えたわけではないので節約はできたものの、パーツ入手プロセスが非常に大変だったのでした。もしすべて新品パーツで組んでいたら、想定していた予算は優に超えていたんだと思います。

パーツ集め

Image: Kyle Barr / Gizmodo US

Valveが今年後半にSteam Machineをリリースすると発表してから、Linuxベースのコンパクトなパソコンを組みたいとは思っていました。普段パソコンのレビューをしている仕事柄、パーツ集めはちょっと有利だった気がします。

オフィスに転がっていた使っていないマシンを漁り、MSI MEG X570 GodlikeのマザーボードとNZXT Kraken X62液体クーラー(280mm)を入手。かなり古いパーツなので、そもそも新品での入手は不可能なやつですね。こんな時代じゃなければ見向きもしなかったかもしれませんが、DDR5メモリがとんでもない価格になっている今となってはありがたいことです。

ただ、古いので制約はあります。例えば、クーラーはminiUSBでマザボに繋がねばなりません。そしてこのマザボ、2019年にRyzen 3000(AM4 CPU)シリーズ向けにリリースされたもので、最新のRyzen 5000と組み合わせて使うためには、まずBIOSのアプデが必要。

ちょうど僕の手元にはレビューで使ったAMD Radeon RX 9060 XTがあったのですが、これって350ドル(約5万円)で販売予定とされていたのに、実際購入しようと探してみたら450ドル(約6万7000円)くらいになっちゃっていました。

Image: Kyle Barr / Gizmodo US

当初はお下がりでもらったパソコンのフルサイズのタワーが家にあったのでそのまま使おうと思っていたのですが、これがまたデカいし、うるさいし、おまけに不安定。で、Hyteの知り合いに聞いてみたところ、Hyte最新のミドルサイズのタワーX50、150ドル(約2万7000円)を手配してくれることに!

あと、電源はCorsair CX750Mを60ドル(約9000円)で入手することができました。ちなみに今回、最もスムーズに入手できたパーツがコイツです。

折からのメモリ不足問題を起因として、パソコンすべてのパーツが値上がり中。特にDDR5メモリの価格は以前の約5倍ほどで推移中で、その結果、自作PC勢はちょっと古くて遅いけどDDR4メモリを使う方向にシフト中。そうなると結局DDR4のリセール価格も上がり、それにつられてこのメモリに対応するAM4プラットフォームの販売価格まで上がっているというインフレスパイラル。

当初の予定では、CPUは中古のAMD Ryzen 7 5800X3Dを使おうと考えていましたが、この状況下では到底無理。性能は若干落ちるものの、AMD Ryzen 7 5800XTで手を打つことに。

当然ですが、CPUは主役クラスのパーツであり、ゆえに中古販売側も強気な価格設定をしています。中古サイトを睨み続けること数週間。3年前のチップであるAMD Ryzen 7 5800X3Dに450ドル(約6万7000円)払うのはどうしても嫌だという結論に至り、Ryzen 7 5800XTを180ドル(約2万7000円)で購入しました。

予算を考えるとこれしか打つ手はなかったわけです。

メモリも大変。オークションサイトのeBayで、G.Skill Ripjaws DDR4-4400のメモリ16GBを2本購入。140ドル(約2万円)でした。チェックしていた数週間で価格はそこそこ上下していましたが、まぁ平均こんなもん。

ドライブ(SSD)も当然高くなっているのですが、ラッキーなことに2年前に組み立て予定で購入していた1TBのSamsung 870 Evo SATAが手元にあったので、これを使うことにしました。

ちなみに購入当時は80ドル(約1万2000円)程度でしたが、今見たら同じものがAmazonで150ドル(約2万2000円)になっていました…。

Image: Kyle Barr / Gizmodo US

パーツの入手だけでもうとんでもなく大変だったのですが、もっと大変なのはそのあと、動作確認です。ちゃんと動くよね?

まず、前述の通りAM4ソケットのMSIのマザボは、Ryzen 5000シリーズ非対応なのでアプデが必要。ラッキーなことに、この時代のマザボには小さなスクリーン(アプデ完了を確認できる)とオン・オフボタン(最近のマザボにはついていません)がありました。

しかし、いざアプデしようとすると、何度やってもうまくいかない。

ネットで調べまくり「.A10」ファイル名を「MSI.ROM」に変更すればいけることが判明。これ、詳しい人なら当たり前なのでしょうが、僕くらいの知識レベルだと頭をかきむしるくらいイライラしてようやく辿り着けたところ。

最終的にはアプデできて、XFX Radeon RX 9060 XTを認識できて、ほっとしました。

HyteのX50ケースよかった!

クーラーも「は? え?」ってなったパーツの1つ。3つの配線がポンプ、ファン、ミラーライトにそれぞれついていて、しかも久々に見るmini USBポートというね。

そもそもHyteのケースは、本当は280ミリのクーラー非対応なのですが、フロントパネルのところに難なく入りました。よかった。

Image: Kyle Barr / Gizmodo USImage: Kyle Barr / Gizmodo USImage: Kyle Barr / Gizmodo USImage: Kyle Barr / Gizmodo US

各パーツをケースに入れ込む前にテストして、無事OK。いよいよケース内に収めます。今回使ったHyteのケースは内部空間の風通しがいいため、イマドキではないパーツで組むにあたっては助かりました。ケースと一緒に送ってもらっていたファン(4つセットで40ドル)をセット(上部のファン取付は非対応)。

マザボ周辺にも十分な空間が確保できたし、サイドパネルが外れるので作業しやすかったです。ただ、クリアパネルは指紋が付きやすいので、作業には手袋着用をおすすめします。

このHyte製ケースは、筐体下から後方と側面へと空気の流れを促すようにデザインされており、熱い空気を外へ送り、冷たい空気を取り込む仕組み。これを活用し、うまくラジエーターに冷たい空気を送り、横と後ろから排気するように組み込めました。ファンの回転スピード(BIOSから)やケーブルの配線位置は微調整する必要あり。ケースについてきたマジックテープの紐が、ケーブルをまとめるのに非常に重宝しました!

Image: Kyle Barr / Gizmodo US

ひとつ辛かったのは、ファンの取付がけっこう大変だったこと。

磁石で取り付けるタイプもよく見ますが、ここではネジでした。あとは、ケースがもうちょい派手色でもよかったのになーと。まぁ、後付けでRGBライトテープをつけようと思ってるのでいいんですけどね。

古いパーツを使う=未来の自分を苦しめる

Image: Kyle Barr / Gizmodo US

と、まぁ、新旧さまざまなパーツを取り混ぜたLinexベースの自作PCは完成、無事に動いています。丸い穴に四角い杭をぶっ刺したたように歪(いびつ)なマシンであり、誕生したばかりのよちよち歩きでありながら、すでに古い構成のマシンです。

最大1440pでゲームをするのに必要なギリギリ最低ライン。4Kだと、9060 XT&5800XTではフレームレート60fpsは難しいし、さらにレイトレもオンにしようと思っても、ちょっと無理があるってものでしょう。

ゲームプレイよりも問題なのは、これからのこと。このマシン、アップグレードが非常に制限されてしまうのです。

できることといえば、DDR4メモリ(16GB)をあと2本挿して、Ryzen 7 5800X3Dにアップグレードができるかな…というくらい。それ以外にできることはほぼないかと思います。今後3年、各パーツをアップデートしようとすると、ソケットやメモリがネックになってくるでしょう。

Image: Kyle Barr / Gizmodo US

そして、待てば待つほど、パーツは値上がりしてもいくでしょう。現在のストレージは1TBですが、予定ではもう1つストレージを搭載してWindows 11をインストールし、デュアルブートできるようにしたかったなと。ただ、今こうして今回の自作PC記事を書いている間にも、1TBストレージは値上がりしています。ECサイトの画面を見ていると、100ドルだったのがいつの間にか125ドルになっていました。

iBuyPowerやMaingearなど、カスタムPCメーカーでオーダーすると2000ドルは優に超えるはずですが、メモリ価格上昇問題は自作もオーダーも同じこと。ValveのSteam Machineの価格がまだわからないのも、メーカーだって、個人と同じく、パーツの値上がり・入手に苦戦しているからでしょう。

となれば、僕が組んだマシンと同じく、長い目で見るとアップグレードにはそこそこの制限が生じるのかもしれません。

やめときゃいいのに、今、このご時世で自分でパソコンを組んでみてわかったこと。それは「自分のアドバイスは正しかった、やっぱり今じゃない」ってことでした。

関連記事: