アングル:インド株、29年ぶりの長期下落局面 市場は一段安を予想
NSE指数は昨年9月のピークから約15%下落し、投資家の資産、約85兆ルピー(約1兆ドル)が失われた。背景には、弱い企業利益、長引く外国資金の流出、米国の関税を巡る不透明感がある。
India's Nifty, Sensex underperform other global markets since September endアディトヤ・ビルラ・サン・ライフ・アセット・マネジメント・カンパニーのマヘシュ・パティル最高投資責任者は「不透明な米国の関税という現在のシナリオ下で、インド市場はもう少し低迷を続けるだろう」と予想。足元は売られ過ぎなので一時的に上昇する可能性はあるが、「あと数カ月間、上がれば売られる相場が続くだろう」と語った。
India's Nifty eyes longest monthly losing streak since 19969月末以来、外国人投資家はインド株を約250億ドル売り越しており、うち41億ドルが2月に流出した分だ。
コタク・インスティテューショナル・エクイティーズのプラティク・グプタ最高経営責任者(CEO)は今週のノートで、個人投資家の関心が強く国内投資家は全体としては買い越しているが、「大半のミューチュアルファンド、保険会社、ポートフォリオ・マネジメント・ファンドからの株式への資金流入は減速している」と説明した。
<デリバティブのポジション>
デリバティブ市場のポジションからも、今後一段と下落するリスクが読み取れる。
IIFLセキュリティーズとヌバマ・オルタナティブ&クォンティタテイブ・リサーチのデータによると、個人の富裕層と通常の個人投資家が株式先物のロング(買い)ポジションを縮小している一方、外国人投資家は個別株先物のロングを増やすと同時に指数先物をショート(売り)にしてヘッジしている。
Roll-over action in India's derivatives marketsNSE指数とそれ以外の指数はいずれも先物の未決済建玉が減っており、3月に向けて投資家の信頼感が弱いことがうかがえる。
NSE指数は現在、2万2800水準が上値抵抗線となっているため、アナリストは一段安を見込んでいる。
IIFLセキュリティーズのスリラム・ベラユダン氏は2万1800まで下落すると予想し、ヌバマのアブヒラシュ・パガリア氏は3月の取引レンジが2万2000―2万2900になるとの見通しを示した。
Participant-wise positioning in India's derivatives markets at the start of March series私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab