孫SBG会長「10年後にASIで世界一」、オープンAIは数年内に上場可能
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は27日に開催した株主総会で、巨額の出資を決めた米オープンAIについて「いずれ上場し、将来的には地球上で最も価値のある企業になると信じている」と語った。写真は都内で2023年10月撮影(2025年 ロイター/Francis Tang)
[東京 27日 ロイター] - ソフトバンクグループ(9984.T), opens new tabの孫正義会長兼社長は27日の株主総会で、10年後にASI(人工超知能)の分野で「世界最大、ナンバー1のプラットフォーマーになる」との考えを明らかにした。その中核を担うのが、傘下で半導体設計を手がけるアームと、巨額の出資を決めた米オープンAIだと強調。オープンAIについて、数年以内に上場が可能との見方も示した。
こうした「強い思いであり決意」を公の場で示したのは「今日が初めて」と孫氏は語る。SBGはオープンAIへ過去に投資した分も合わせると約4.8兆円の出資を決めている。孫氏はオープンAIの売り上げの伸びを踏まえ、「あと数年で(株式市場に)上場できる」との見通しを示した上で、「地球上で最も価値のある企業になると心から信じている」と語った。中国EC大手アリババ・グループ[RIC:RIC:ALIAB.UL]への投資の成功例も引き合いに出して、大胆な出資判断の意義を訴えた。
アームについては、年内にクラウド分野でその設計図をもとにしたAI半導体の採用比率が50%に達するという。後工程技術を持つ英グラフコア、米アンペア・コンピューティングの買収を相次ぎ発表し、設計から最終製品化までをグループ内で完結できる体制を整備しつつあると話す。
ソフトバンクグループは、AIを核とする「スターゲイト」構想を通じて米国で世界最大の技術拠点構築を目指している。孫正義会長は、社会インフラ整備には米政府との連携が不可欠とし、最近はホワイトハウスで大臣級の人と直接協議を重ねていると明かした。許認可・制度対応のほか支援を含め、政府との信頼関係が成功にとって重要になると述べた。
孫氏は自身の後継者についても触れ「グループ内で勝ち上がったものの中から生まれてくる」との見解を示し、「頭の中には何人か後継者になる可能性がある人を絞っている」と述べた。
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