「ヘビメタが生きがいです」Apple WatchのCMに一部のメタルファンが抱いた強い違和感 背景にある“ヘビメタ=蔑称”論争を読み解く

 CMには「実際にあったApple Watch」という表記があり、CMに登場した男性が取材を受けたネット記事も確認されるため、その内容がフィクションではないことがうかがえる。繰り返しになるが、自分の好きな音楽ジャンルをどう呼称しどう略すかは当人の自由だ。それでも広告関係者は、このCMに対する違和感を拭えないという。 「テレビCMは、不特定多数の幅広い層を対象に商品を宣伝するもの。そういった場において、人によって受け止め方に差が生じる表現を用いるのは適切とはいえないでしょう。ちなみにApple製品のCMには炎上の“前科”があります。同社は昨年5月、巨大なプレス機で楽器、本、カメラ、おもちゃなどを押し潰した後に、プレス機から新型 iPad が現れるCMを公開したところ、“モノ作りをするメーカーとは思えない”と批判が殺到。謝罪を余儀なくされました。破壊CMしかり、今回のヘビメタしかり、無神経な印象を持つ人は少なくないのでは」  もっとも、Appleとメタルの関係について前出のライターは指摘する。 「Appleは2019年、iPhoneのCMでMEGADETHの『Last Rites/Loved To Deth』という曲を使用しています。MEGADETHはアルバム累計約4000万枚を売り上げたビッグバンドですが、『Last Rites/Loved To Deth』はライブで30年以上演奏されていないマニアックな曲。コアなファンでなければ知らない曲で、メタルに理解があると思いたい。まあ、“たまたま”だったのかもしれませんが……」  メタルファンの違和感には複雑な歴史が重なっているようだ。 ※なお、マネーポストWEBでも【ブームから35年「ヘビメタ」の現在地】という記事を公開(2024年10月)していましたが、今回の記事の指摘を受けて、【ブームから35年「ヘビーメタル」の現在地】とタイトルを修正いたしました。一部で不快な思いをされたメタルファンの方にお詫びいたします。

マネーポストWEB
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