米議会予算局、トランプ級戦艦15隻の建造費用が推定43兆円だと報告

米議会予算局(CBO)は通常動力から原子力に変更されたトランプ級戦艦=BBG-X計画の報告書を5日に発表し、この中で「1番艦の建造費用は234億ドル=3.6兆円になる可能性」「15隻を建造する総費用が2,750億ドル=約43兆円になる可能性」を報告し、これは日本の防衛費の約4年分に相当する。

参考:The Navy’s New Battleship Program: Costs and Implications for the Shipbuilding Industrial Base

トランプ大統領は昨年9月「海軍向けの戦艦建造を真剣に検討している」と述べ、この戦艦というフレーズは「大口径の艦載砲と重装甲で構成された第二次世界大戦時の戦艦」を意味しているのではなく「現行の艦艇よりも強力な艦艇」というニュアンスで「ホワイトハウスと海軍は“Golden Fleet構想”の一環として新たな艦艇(約2万トン)の設計について協議中」と報じられていたが、トランプ大統領、ヘグセス国防長官、ルビオ国務長官、フェラン海軍長官は昨年12月「Golden Fleet構想の一環としてトランプ級戦艦(BBG-X)を建造する」と発表、Golden Fleet構想の公式サイトでもトランプ級戦艦の仕様が公開された。

ゴールデン・フリート公式サイトで公開された当時のトランプ級戦艦の仕様 全長 256m~268m 全幅 32m~35m 喫水 7m~9m 排水量 35,000トン以上 速力 30ノット以上 乗組員 650人~850人 調達規模 20隻~25隻 センサー AN/SPY-6×4基 武装 核兵器搭載可能な海上発射型巡航 CPS×12セル Mk.41VLS×128セル HVP対応32MJレールガン×1基 HVP対応M45 5インチ砲×2基 300kWレーザーもしくは600kWレーザー×2基 RAMランチャー×2基 Mk.38 30mm機関砲×4基 ODINレーザー×4基 対UxSシステム×2基 搭載航空機 V-22 FVL

米議会調査局(CRS)も12月30日「BBG-X計画に関する議会への報告書」を発表、この中で「BBG-Xは海軍が調達するものとして第二次世界大戦以来初となる戦艦」「大戦以降に調達されたどの巡洋艦や駆逐艦よりも大型で重武装になる」「議会にとっての論点はトランプ政権によるBBG-X建造案を承認、拒否、あるいは修正すべきかという点にある」「BBG-Xは現行の381隻体制計画に代わるGolden Fleet構想の中核になる予定だ」「建造開始は2030年代初頭、就役は2030年代後半か2040年代前半、1番艦はディファイアントと命名され、ディファイアント級かトランプ級と呼称される予定だ」と指摘。

CRSは報告の中で「BBG-Xは通常動力、ミサイル、大砲、レーザーなどを組み合わせ現行の巡洋艦や駆逐艦を上回る武装を搭載する」「BBG-Xの推定コストは不明だが、排水量に比例すると仮定した場合、DDG-51の3.6倍以上になるかもしれない」「もしそうなら建造単価は約100億ドル=約1.5兆円、1番艦は設計費用が含まれるため150億ドル=2.3兆円近くになるかもしれない」と述べていたが、米海軍は6月に今後30年間をカバーする造船計画(U.S. NAVY SHIPBUILDING PLAN MAY 2026)を公開して「BBG-Xは原子力戦艦だ」「今後30年間で原子力戦艦を15隻購入する」と発表。

出典:Congressional Budget Office

米議会予算局(CBO)は通常動力から原子力に変更されたBBG-X計画の報告書を5日に発表し、この中で「1番艦の建造費用が234億ドルになる可能性」「2番艦以降の建造費用が1隻あたり180億ドルになる可能性」「15隻を建造する総費用が2,750億ドルになる可能性」「海軍が提出した予算要求の説明ではBBG-Xの排水量は35,000トンから41,000トンの範囲になる」「通常動力から原子力に変更したことで建造費用が約13%増加した」「もし最終的な船体サイズが41,000トンになると1番艦の建造費用は約16%増加する」と報告し、あまりの高額な建造費用に注目が集まっている。

CBOは建造費用の見積もりについて「現時点で入手可能な情報に基づいた金額で非常に不確実だ。未確定の要素によって建造費用はCBOの見積もり高くなるかもしれないし、安くなるかもしれない」と明記しているため、15隻の建造費用が2,750億ドル=約43兆円という数字は「現時点の推定額」でしかない。

出典:goldenfleet.navy

ちなみに海軍は2027会計年度にBBG-Xの事前調達費として約10億ドル、研究開発費として約8億3,700万ドルを要求しているが、2027会計年度の国防権限法案も予算案も成立していないためBBG-X建造に資金供給は始まっておらず、海軍は2028会計年度に1番艦の建造費用、2030会計年度に2番艦の建造費用を要求する予定だ。

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※アイキャッチ画像の出典:goldenfleet.navy

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