米中、関税協議巡り主張に食い違い 不確実性高まる
[25日 ロイター] - 米中貿易戦争への懸念が払しょくされない中、トランプ米大統領は25日に公開されたインタビューで、中国との関税交渉が進行中と主張した。ただ、中国はいかなる協議も行われていないと改めて否定。相反するシグナルが続いていることで、トランプ氏が掲げる関税措置を巡る不確実性が一段と高まっている。
中国はこれを改めて否定。在米中国大使館によると、中国外務省は声明で「中国と米国は関税についていかなる協議や交渉も行っていない」と反論。「米国は混乱を生み出すのをやめるべきだ」とした。
トランプ氏が今月初めに発表した大規模関税措置に対し、中国だけでなく他の多くの国も米国と交渉を実施。今週開かれた国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季会合に参加するために米首都ワシントンを訪れた各国の当局者と米当局者との間で活発な協議が行われた。
ベッセント財務長官を含むトランプ政権高官は、迅速な進展の兆しでているとの認識を示しているが、多くの国は慎重な姿勢を表明。アイルランドのドナフー財務相はロイターに対し「世界中の雇用、成長、生活水準に対し何がリスクになっているのかという明確な認識をもってこの会議を後にする」とし、「向こう数週間、数カ月のうちに、この不確実性を軽減するためにあらゆる手段を尽くす必要があると改めて認識した」と述べた。
関係筋によると、商務省の作業部会が関税免除の対象になり得る品目のリストを作成しており、企業側に要望を提出するよう要請。経済誌「財新」は25日、関係筋の話として、中国政府はメモリーチップを除く半導体関連8品目を対象に含める準備をしていると報じた。
米政府は関税措置を巡る日本との交渉を最優先に位置づけており、日本との交渉は他の国との交渉の「試金石」と見なされている。一部では、石破茂首相とトランプ氏が6月にカナダで開催される主要7カ国(G7)首脳会議で顔を合わせる際に協定を発表するとの見方も出ている。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab