コラム:中国、米エヌビディアの独禁法違反調査は賢い対抗措置
調査開始のタイミングは偶然ではない。バイデン米政権は先週、半導体関連の新たな中国向け輸出規制を発表したばかりだった。これに対して中国は、半導体や赤外線技術、光ファイバーに使われるガリウムやゲルマニウム、アンチモンなど重要鉱物の米国向け輸出を禁止すると発表した。
米司法省は、エヌビディアが顧客によるサプライヤーの切り替えを難しくしているのではないか、またエヌビディア製以外の製品も使用している顧客に懲罰的な措置を行っているのではないか、との観点から情報を収集している。これはブルームバーグが9月に情報筋の話として報じた。
ブルームバーグの別の報道によると、欧州連合(EU)はGPU市場で競争阻害の行為が行われている可能性について非公式に情報を集めている。
確かに、エヌビディアの売上高全体に占める中国の割合は20%に満たない。しかし同社にとってより大きなリスクは、中国政府による正式な調査をきっかけに、他の国々も行動を起こす可能性があることだ。
●背景となるニュース
*エヌビディアの広報担当者はBreakingviewsに対し、同社は「全ての地域で最良の製品を届け、事業を行っている全ての場所で約束を守る」ために奮闘していると表明。「規制当局が当社の事業について質問があるのなら、どんな質問にも喜んで答える」と述べた。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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Robyn Mak joined Reuters Breakingviews in 2013. Previously, she was a Research Associate for the Global Policy Programs at the Asia Society in New York. She has also worked at the Carnegie Endowment for International Peace in Washington DC and interned at several consulting firms, including the Albright Stonebridge Group. She holds a masters degree in international economics and international relations from the Johns Hopkins School of Advanced International Studies and is a magna cum laude graduate of New York University.