広陵高校野球部で部員間暴力、高野連が厳重注意 7日の初戦には出場
阪神甲子園球場で開催中の第107回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場している広陵高校(広島)は6日、1月に硬式野球部内で部員間の暴力事案があり、日本高野連から3月に厳重注意されていたと明らかにした。7日の初戦には出場するという。
学校は6日に発表した文書で「被害を受けられた生徒ならびにその保護者の皆さまには、重ねて深くおわび申し上げます」と謝罪した。
学校の説明によると、1月22日、当時の1年生部員が部で禁止されているカップラーメンを寮内で食べたとして、上級生から暴行を受けた。
学校側の事実確認に対し、2年生4人が名乗り出て、それぞれが注意するため個別に部屋を訪れ、ほおや胸をたたいたり、胸ぐらをつかんだりしたことを認めたという。
学校は県高野連に報告。日本高野連は3月に「厳重注意」をし、関わった上級生4人は1カ月以内に開催される公式戦には出場しないよう指導したという。
被害生徒は3月末に転校したが、保護者は「学校が確認した事実関係に誤りがある」と訴え、5月まで協議を続けてきたという。
一方、部で暴力問題があったという情報がSNS上で拡散し、8月に入って学校側が再調査。SNS上では暴力に関わった部員数が「10人以上」となっているが、同校は聞き取りをした結果、「4人」だったとした。また、SNSで拡散されているような暴言の内容は確認できなかった、と説明している。
大会本部は6日、「SNS等で拡散されている事案の内容と、広陵高校が日本高野連に報告した内容に違いがあったが、学校側から6日、これまで報告していた内容以外に新たな事実関係はない旨、表明があった。主催者としては大会出場の判断に変更はない」とコメントを発表。日本高野連の井本亘事務局長は取材に対し、「暴力行為は許されない」と強調したうえで、「SNS等での誹謗(ひぼう)中傷や差別的な発言はくれぐれも慎んでいただきたい」と話した。
広陵は1911年に創部され、夏の全国選手権大会には第9回大会から昨夏まで25回出場し、準優勝が4度。春の選抜大会では3度頂点に立っている。
全国高校野球選手権大会・大会本部のコメント
広陵高校硬式野球部で部内での暴力事案が起こった問題について、日本高等学校野球連盟は3月に審議し、日本学生野球憲章に基づく「注意・厳重注意および処分申請等に関する規則」により、野球部に対する厳重注意の措置を決めました。
SNS等で拡散されている事案の内容と、広陵高校が日本高野連に報告した内容に違いがありましたが、学校側から6日、これまで報告していた内容以外に新たな事実関係はない旨、表明がありました。主催者としては、第107回全国高校野球選手権大会出場の判断に変更はありません。
なおこの問題では、広陵高校の選手、関係者に対する誹謗(ひぼう)中傷や差別的な言動などが、特にSNS上で拡散されております。
こうした行為は、名誉や尊厳、人権を傷つけるものであり、決して看過できません。
誹謗中傷や差別的な言動などは、くれぐれも慎んでいただきますようお願い申し上げます。