米2年債先物の建玉が5日連続減、関税巡る懸念で-物価見通しに暗雲
Edward Bolingbroke
- 14日以降のポジション縮小額は現物2年債換算で約320億ドル規模
- 市場不安定時にショートカバーとロング解消が同時に発生
債券トレーダーが、米2年国債先物のポジションを縮小している。トランプ大統領の関税政策を巡る不透明感からインフレを見通しにくくなっていることが背景にある。
米金融当局の政策動向に敏感な米2年国債先物の建玉は、21日までの5営業日連続で減少。11月に3月限が中心限月となって以降で最低水準となった。
14日以降のポジション縮小の合計額は、現物2年債換算で約320億ドル(約5兆円)規模に上る。
ポジション縮小の背景には、トランプ氏の関税政策への注目の高まりがある。
トランプ氏は大統領就任初日の20日、メキシコとカナダからの輸入品に最大25%の関税を2月1日までに賦課することを計画していると発言。翌21日には、脅しの対象を中国や欧州連合(EU)にも広げた。
ただ今のところ、関税の賦課は実行に移されていない。
最終的な関税の税率や発効のスピードは、米追加利下げの時期や規模に関する市場の評価にも大きく影響する。関税がインフレ再燃につながるとの懸念から、米金融当局が今年半ばまで追加緩和を先送りするとの見方も強まっている。
米2年先物のポジション縮小は、関税絡みのコメントや予想を下回るインフレ指標、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事によるハト派発言などで市場が不安定になった際に、ショートカバーとロングポジションの解消が同時に発生した結果となっている。
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原題:Bond Traders Trim Two-Year Futures Bets as Tariff Talk Picks Up(抜粋)
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