米債券市場、今年の利下げペース鈍化見込む-FOMC決定控え
Edward Bolingbroke
- 年内に0.25ポイント利下げを3回織り込み-4月初めより1回減少
- 「6月までに悪いことが起きない限り動く必要がない」との指摘
トレーダーは、米金融当局が今年の利下げペースを鈍化させると見込んでいる。景気の底堅さを受け金利据え置きが長引くとの見方だ。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策決定を7日に控えた時点で、市場は年内に0.25ポイントの利下げを3回織り込んでいる。4月初め時点に比べ1回分減少した形だ。
一方、26年は計0.5ポイントの追加利下げが織り込まれている。現在の緩和サイクルにおいて、26年の利下げが最も強く織り込まれた状況だ。
米金融当局は7日、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25-4.5%に据え置くと予想されており、トレーダーは米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の会見に注目している。トランプ米大統領の経済政策が今後の利下げ時期を巡る当局の見解に影響を与えているかが焦点となる。
6月のFOMC会合での利下げ期待も、2日以降に後退した。同日に発表された米雇用統計が予想を上回る伸びとなったためだ。5日に公表された米ISM非製造業総合景況指数もまた経済の強さを示し、金融政策に敏感な短期金利への上昇圧力が強まった。
ウィズダムツリーの債券戦略責任者ケビン・フラナガン氏は「6月までに何か悪いことが起きない限り、米金融当局は動く必要がない」と指摘。米金融当局が3月に年内2回の利下げを予測していたことから、短期の金利は脆弱(ぜいじゃく)な状態にあるとも述べた。
オプション市場でも、トレーダーは利下げ先送りに備えたポジションを構築。大幅利下げをヘッジするあるポジションでは、ここ数週間で2度目となる満期の延長が見られた。
原題:Traders Bet It Will Take Longer for Fed to Start Cutting Rates(抜粋)
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