トランプ氏の支持率、就任100日を前に失速鮮明-共和党に減税圧力
トランプ米大統領は2期目の就任から間もなく100日を迎えるが、経済運営に対する有権者の不満が強まり、支持率は低下している。議会共和党にはトランプ氏の税制改革案を早期に成立させるよう圧力が強まっている。
NBC、CNN、ニューヨーク・タイムズ/シエナ大学、ABCニュース、FOXニュースなどが過去数日に発表した複数の世論調査からは、いずれも同じ傾向が示されている。トランプ氏が選挙公約の柱として掲げた経済強化は達成されていないという認識だ。
27日発表されたCNNの世論調査によると、トランプ氏の経済運営を支持するとの回答は39%にとどまり、1期目と2期を通じて最低水準となった。NBCニュースによる調査では、関税措置を支持するとの回答は39%にとどまり、トランプ関税の不人気ぶりが浮き彫りとなった。
トランプ氏は経済と移民問題を主要争点に掲げ、昨年11月の大統領選で激戦州を制して勝利を収めた。
トランプ氏は経済強化策として2つの柱を掲げている。1つは米製造業の復活を目指して進める関税措置だ。もう1つは、2017年に成立した所得税減税の延長やチップ収入や社会保障給付金に対する課税の減免などの税優遇措置だ。
共和党は、民主党の支持を必要としない手続きを活用して税制パッケージを成立させる意向を持っている。そのため、トランプ氏と上下両院の共和党指導部は、有権者の不満が高まる中でも党内結束を維持する必要がある。重要なのは、2026年の中間選挙に向けた態勢を整えることだ。
長年の共和党ストラテジストであるクリス・ウィルソン氏は「トランプ氏の支持率低下が党内での指導力や地位を脅かすことはないので、選挙への直接的な影響はない」と指摘。その上で「重要なのは、共和党の立法方針や中間選挙戦略の全体的なトーンに影響を与える点だ」と語った。
ブルームバーグがまとめた最新のエコノミスト調査では、米経済成長率は2025年に1.4%、26年に1.5%との予想が示された。前回調査(25年が2%、26年が1.9%)からは下方修正となる。エコノミストが見込む今後12カ月のリセッション(景気後退)確率は中央値で45%と、3月時点の30%から上昇した。
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中間選挙では与党が議席を失う傾向が歴史的に強く、これにリセッションが重なれば、2026年の選挙では議会主導権が民主党に移る公算が大きいと、共和党のストラテジストはみている。そうなればトランプ氏の2期目後半の政権運営にも影響が及ぶ可能性がある。
こうした共和党内の懸念が、財政支出などを巡る対立がある中でも、税制法案可決に向けた結束維持を後押しすることになるとみられる。
世論調査では、トランプ氏が最も高い支持を得ている政策分野は移民問題だった。
原題:Trump’s Polls Decline Near 100-Day Mark, Raising Tax-Plan Stakes(抜粋)