トランプ氏が招いたグローバルラリー、関税見送りで-米国第一ならず
- ドルは下落し、米国債市場は1週間を通じて落ち着いた動きが続いた
- 新たな関税の発表がなく、国外の株式や通貨のセンチメントが改善
トランプ米大統領の最初の1週間、金融市場は前宣伝通り、興奮に包まれたが、それは多くの投資家が予想したような種類の興奮ではなかった。
米国株とドルを買い込む一方、国外の株は軽くし、米国債の下げ方向に投資するトランプトレードが、昨年の選挙期間中に人気を博した。しかし、それはまずまずうまくいったという程度だ。米国株は確かに上昇したが、日本やドイツ、あるいは新興国市場の一部ほどではなかった。ドルは下落し、米国債市場は1週間を通じて落ち着いた動きが続き、ほとんどの利回りは静かに低下した。
トランプ大統領は就任後最初の1週間で多くの仕事をこなし、大統領令に次々と署名し、即席で記者会見を開き、カメラに向かってポーズを取り、国内を縦横に動き回った。だが、米国の貿易相手国に直ちに関税を発動することはせず、それが驚くべき市場の反応を引き起こした。
これはトランプ氏が選挙期間中に掲げた公約であり、トランプトレードのテーマを構成する重要な要素だった。中国に対し最大60%の懲罰的関税を課せば、ライバル国の経済にはるかに大きな打撃を与え、各国・地域の通貨価値が対ドルで下落し、至る所でインフレが再燃するというのが、「アメリカファースト(米国第一)」の市場の解釈だった。けれども、少なくとも過去1週間について言えば、「アメリカラスト」だったかもしれない。
EPウェルス・アドバイザーズの投資マネジングディレクター、アダム・フィリップス氏は「米国資産へのバイアスが、選挙後すぐにコンセンサスポジションとなったが、トランプ大統領が就任した最初の週に新たな関税の発表がなく、国外の株式や通貨のセンチメントが改善されつつある」と指摘した。
Trump's softer approach on trade helps revive interest in non-US stocks
Source: Bloomberg
原題:Trump Unleashes Surprise Global Rally by Backing Off Key Promise(抜粋)