NY市場サマリー(19日)FOMC受け株価反発、利回り低下 ドル上げ幅縮小

  <為替> ドルは対ユーロで上昇幅を縮小した。米連邦準備理事会(FRB)は19日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定したものの、年内後半に25ベーシスポイント(bp)の利下げを2回実施する可能性が高いとの予想が示されたことを受けた。

FRBは18─19日に開いたFOMCで、市場の予想通り、金利の据え置きを決定。公表した金利・経済見通しでは、2026年にさらに50bpの利下げが実施されるとの予想も示された。 もっと見る

マネックスUSAのトレーディング担当アソシエートディレクター、ヘレン・ギブン氏は、全体的に考えるとドルの値動きはかなり落ち着いていると指摘。これは、投資家らが不確実な状況の中で大きなポジション構築に慎重になっていることを示していると述べた。

ユーロは対ドルで0.3%安の1.0912ドル。取引序盤に一時、1.0860ドルまで下げる場面があった。

ドル/円は0.3%安の148.85円。 日銀は19日、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.50%程度で維持することを全員一致で決定した。 もっと見る
トルコの検察当局が19日、エルドアン大統領の最大の政敵であるイマモール・イスタンブール市長を汚職やテロ組織への資金提供などの容疑で拘束したとの報を受けて、トルコリラは対ドルで大幅に下げ、一時約12%安と最安値を付けた。 もっと見る

取引終盤で、ドルは対トルコリラで3.6%高の37.97リラとなった。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは4.6%高の8万5802ドルとなった。

NY外為市場:

<債券> 利回りが低下した。米連邦準備理事会(FRB)は19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定。公表した金利・経済見通しで、年内後半に25ベーシスポイント(bp)の利下げを2回実施する可能性が高いとの見方を示した。

この予想は昨年12月時点の予想中央値から変わらなかったものの、より多くの政策担当者は利下げ回数を減らす方向に動いていることが示された。 もっと見る

ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのダン・シルク氏は電子メールの声明で、FRBは市場予想よりもややタカ派的ではない姿勢を示したとの見方を示した。

指標となる10年国債利回りは、2.9bp低下の4.252%。

2年債利回りは5.9bp低下の3.983%。

2年債と10年債の利回り格差は27bpと、約3bp拡大した。

米政権による関税措置とその影響を巡る不確実性により消費者信頼感は損なわれ、ここ最近の株価は下落。安全資産とされる国債の需要が高まり、利回りは数カ月ぶりの低水準を付けている。

ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルの米金利戦略責任者を務めるジョナサン・コーン氏は「FRBは現在、インフレに関する上振れリスクと成長に関する下振れリスクのバランスを取らなければならない状況にある」と述べた。

フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込むFRBによる年内の利下げ幅は計64bp。FOMC声明発表前は56bpだった。これは、年内25bpの利下げが2回実施され、また3回目の利下げの可能性が高まっていることを示している。

米金融・債券市場:

<株式> 反発して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)は19日まで開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り政策金利を据え置いた。FRBも投資家も、トランプ大統領の関税政策が経済とインフレにどのような影響を与えるかを見極めたいとしている。

LSEGがまとめたデータによると、トレーダーらは依然として、FRBが12月までに少なくとも2回、25ベーシスポイント(bp)の利下げを実施すると予想。6月に少なくとも25bpの利下げが実施される確率は62.2%とされている。

パウエルFRB議長が、米国の関税がインフレに与える影響を検討するのは時期尚早であり、価格上昇のうちどの程度が関税に起因するのかを評価するのは難しいと述べたことで、株価はさらに上昇した。

アメリプライズ・ファイナンシャルの主任エコノミスト、ラッセル・プライス氏は「市場は主に不確実性を軽減するものを探していた。インフレ見通しはわずかに上昇し、GDP見通しはわずかに低下した。市場は、FRBが現在株価に圧力をかけている全体的な不確実性の背景を悪化させなかったと受け止めている」と指摘した。

S&P総合500指数を構成する11業種全てが上昇。特に一般消費財株(.SPLRCD), opens new tabは2%近く上昇した。

貿易政策転換が経済と消費者心理の冷え込みにつながる可能性を示唆す経済指標を受け、米国株はここ数週間売り圧力にさらされていた。それでも、過去4営業日のうち3営業日で上昇し、底入れの兆しを見せている。

個別銘柄では、航空機大手のボーイング(BA.N), opens new tabが6.84%急騰。関税による短期的な影響はないと発表した。
一方、米食品大手ゼネラル・ミルズ(GIS.N), opens new tabが2.05%下落。年間売上高見通しを引き下げたことが弱材料となった。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.92対1の比率で上回った。ナスダックでも2.4対1で値上がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は135億3000万株。直近20営業日の平均は163億4000万株。

米国株式市場:

<金先物> 米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控えた持ち高調整の売り買いが交錯する中、安全資産としての金需要に支えられ、7営業日続伸した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比0.40ドル(0.01%)高の1オンス=3041.20ド ル。中心限月の清算値ベースで5営業日連続で、史上最高値を更新した。

NY貴金属:

<米原油先物> 米エネルギー情報局(EIA)による在庫週報で、ガソリンとディスティレート(留出油)在庫の取り崩しが示される中、反発した。ただ、連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表後は、上値を削った。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比0.26ドル(0.39%)高の1バレル=67.16ドルだった。

NYMEXエネルギー:

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