日経平均は続伸、一時300円超高 一巡後は米指標控え様子見に
[東京 12日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比162円53銭高の3万8963円70銭と、続伸して取引を終えた。朝方は指数寄与度の大きい銘柄の一角に買いが入り、300円超高となる場面があった。ただ、米国の関税政策を巡る不透明感が重しとなり、追随買いは限られた。米消費者物価指数(CPI)の公表を控えて見送りムードも広がり、後場は一進一退の展開が続いた。
日経平均は、前営業日比247円高としっかりでスタートした後、301円高の3万9102円65銭まで上昇したが買いの勢いは続かず次第に上げ幅を縮小。トランプ米大統領の高関税政策への警戒感が上値を抑え、後場には一時小幅安に転じた。東京時間の外為市場でドルが153円台後半まで上昇するなど円安が進行したが、輸出関連株の動きはさえなかった。
後場の日経平均は3万8900円を軸に小動きとなった。市場では米CPIについて「インフレ圧力が粘り強いとなれば、米国の利下げ先送り観測が一段と高まる可能性がある」(国内証券・ストラテジスト)として、やや警戒する声もあった。
米国の関税政策についてフィリップ証券のアナリスト・笹木和弘氏は「鉄鋼・アルミニウム輸入に対する25%の関税に欧州連合(EU)は対抗措置をとる方針で、こうした流れが他の国にも広がらないか懸念は強い」と指摘する。大型の外需株を積極的に手掛ける動きは控えられ、指数としては上値の重さが意識されやすいという。一方で「企業業績は底堅く、個別材料が出たものは買われるなど地合いは悪くないのではないか」(同)とみている。
TOPIXは0.01%高の2733.33ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.01%高の1406.91ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は5兆4101億8800万円だった。東証33業種では、非鉄金属、鉱業、海運など16業種が値上がり。繊維製品、証券、商品先物取引、医薬品など17業種が値下がりした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.38%高の692.66ポイントと6日続伸した。
プライム市場の騰落数は、値上がり851銘柄(51%)に対し、値下がりが743銘柄(45%)、変わらずが46銘柄(2%)だった。
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