オーストリア、極右・自由党のキクル党首が首相指名に近づく

Jonathan Tirone、Marton Eder

次期政権樹立に向けた協議が続いていたオーストリアで、極右・自由党のキクル党首が首相指名に近づいた。ネハンマー首相が4日、連立交渉決裂を受け近く首相と国民党党首を辞任する意向を表明した後、ファンデアベレン大統領がキクル氏を組閣協議に招いた。

  キクル氏(56)は6日午前にウィーンで大統領と面談する予定。反移民を掲げる自由党は昨年9月の国民議会(下院)選挙で第1党となった。

  国民党の暫定党首に指名されたクリスチャン・シュトッカー氏は5日、自由党を中心とした連立政権樹立に向けた交渉について、党からの承認を得たと明らかにした。

  ファンデアベレン大統領は5日のテレビ演説で「キクル氏率いる自由党との連携排除を主張する国民党内の声は大幅に弱まっている」と述べた。大統領は来週中に暫定首相を指名する計画。

  一連の展開はキクル氏率いる政権が発足する可能性が最も高いことを示唆している。その場合、同国としては第2次世界大戦後初めて自由党から首相が誕生し、気候変動対策に懐疑的で反移民かつ新ロシアの政党が権力の座に就くことになる。

原題:Austria’s Far-Right Kickl Given Path to Historic Chancellor Job(抜粋)

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