中学部活初めで全日本ランク入り叶えた努力人は人口600人の離島出身「馬渡の名前をもっと広めたい」<全日本卓球2025>

写真:馬渡元樹(信号器材)/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 中学部活初めで全日本ランク入り叶えた努力人は人口600人の離島出身「馬渡の名前をもっと広めたい」<全日本卓球2025>

2025.02.01

<全農杯 2025年全日本卓球選手権大会(ダブルスの部) 日程:2025年1月30~2月2日 場所:スカイホール豊田(愛知)>

2月1日、2025年全日本卓球選手権大会は大会3日目を迎え、混合ダブルスの部で準々決勝が終了した。

第1シードを破って勝ち上がってきた馬渡元樹(信号器材)/武山華子(中央大)ペアは岡野俊介(朝日大)/田村美佳(十六フィナンシャルグループ)ペアと対戦。ゲームカウント1-3で敗れ、ベスト8で大会を終えた。

写真:岡野俊介(朝日大)/田村美佳(十六フィナンシャルグループ)/撮影:ラリーズ編集部

試合後、馬渡/武山ペアに話を聞いた。

県予選前日に初練習

――準々決勝を振り返っていかがですか?

写真:馬渡元樹(信号器材)/武山華子(中央大)/撮影:ラリーズ編集部

馬渡:自分たちのペアは結成してからあまり練習ができていなかったんですが、全日本で調子が上がってコンビネーションも徐々に良くなっていきました。

ですが、今日は昨日よりも凡ミスが増えてしまって、自信がないままプレーしてしまいました。

武山:馬渡さんとペアを組んでからちょっとしか練習できていなかったのですが、(馬渡さんの)おかげで初日からいい試合ができました。

今日は結果的には悔しかったんですけど、来年も推薦で出させていただけると思うので、また来年リベンジしたいですね。

――ペアはいつ頃組まれたんでしょうか?

武山:神奈川県予選の前日に、初めて練習しました(笑)。

馬渡:神奈川県予選を通過してからは、先週の全日本シングルス終わりに2回練習して、本番という感じです。

写真:馬渡元樹(信号器材)/武山華子(中央大)/撮影:ラリーズ編集部

――では、本当に大会のなかで調子を上げていかれたんですね。

馬渡:そうですね。

試合をしていくなかで「お互いの良さをどう引き出そうか」と考えて、ベンチコーチも入れずに2人で話し合いながらやりました。

――3回戦では、第1シードの坂根/塩見ペアにストレートで勝利しましたが、試合を振り返っていただけますか?

馬渡:お互い凡ミスが少なかったので、ラリーになったときに自分が決めきらないとダメだなと思いました。

武山さんが繋いでくれて、いいアシストをしてくれたから自分が決め切る場面が結構多くて。あの試合で、自分たちのプレーパターンというか、どう戦うべきかに気づけましたね。

――馬渡さんと武山さんで、役割分担がしっかりしているんですね。

馬渡:そうですね。

武山:私が(強いボールを)全然打てないので(笑)。

頑張っていかにチャンスを作れるかを考えてやっていました。

馬渡:でも、3回戦は武山さんも(強打で決めてくれて)マジで良かったです。

――今の試合も、武山さんが結構決められてましたよね?

写真:馬渡元樹(信号器材)/武山華子(中央大)/撮影:ラリーズ編集部

馬渡:決めてくれてましたね(笑)。逆に、自分が決めきることができなかった。一方で、岡野くんは最後の1本、2本をしっかり繋いできた。全体的に相手の方がラリーの質が高かったですね。

武山:いやいや、自分ももっとできることがあったと思います。

(馬渡さんは)十分です。本当にすごいんですよ。

――馬渡さんは中学の部活で卓球を始めたとのことですが、数ある部活の中からなぜ卓球を選ばれたのでしょうか?

写真:馬渡元樹(信号器材)/武山華子(中央大)/撮影:ラリーズ編集部

馬渡:自分は人口600人くらいの離島(長崎県度島)出身で、小学校にはサッカー部、中学校には陸上部と卓球部しかなかったので、陸上か卓球のどちらかを選ばざるを得ませんでした。

なので、「とりあえず卓球をやるか」と。

――思ったよりもフワっとした動機だったんですね(笑)。

馬渡:でも、当時はサッカー選手を目指していたので、中学2年生まではサッカーと卓球をどっちもやっていました。

――サッカーと同時にやるなら、陸上のほうがよくないですか?(笑)

馬渡:走るのが嫌いだったので…(笑)。

――中学校の部活では、顧問の先生に教わっていたのでしょうか?

馬渡:いえ、学校には指導者も卓球経験者もいなくて、長崎県の高校生の試合の動画を取って、それを見ながら素振りしたり練習メニューを考えたりしていました。

高校で鎮西学院高校に入って、青森山田出身の坪口道和さんに素振りやフォア打ちを基礎から教えてもらって、ようやくちゃんと卓球ができるようになった感じです(笑)。

――今回はお二人とも全日本初ランクだと思いますが、ランク入りした感想はいかがですか?

写真:馬渡元樹(信号器材)/武山華子(中央大)/撮影:ラリーズ編集部

武山:ランクに入った瞬間は「あ、入ったんだ」って感じで嬉しかったんですが、本当は表彰台を目指してやっていたので、できればもう一勝はしたくて。

なので、今は悔いが残ってますね。来年頑張ります。

馬渡:いくらランクに入れたとしても負けたら悔しいし、ベスト4に入ったとしてもベスト4で負けたら悔しい。

なので、結局純粋に嬉しいのは優勝しかないのかなと。もっと上を目指さないといけないのかなと思います。

――では、来年の目標は優勝のみですか?

武山:「表彰台に立つ」っていう目標は自分たちがどのくらいできるのかがわからない状態で立てた目標だったんですが、今回かなり惜しいところまで来れたので、来年は優勝目指して頑張ります。

――では最後に、それぞれ個人の目標があればお聞かせください。

馬渡:今年の全日本はシングルスにかなり懸けていたんですが、思うような結果にはなりませんでした。

でも今回、混合ダブルスでランクに入って、卓球台が2台しかない(ぐらい注目される)舞台で戦えたので、その経験を今後にも活かしつつ、いろんな大会で表彰台以上を目指します。

馬渡って、多分日本では珍しい名前だと思うので、たくさんの人に僕の名前を覚えてもらえるように、すべての大会で活躍できたらなと思います。

武山:私も、今年の全日本のシングルスは初戦で負けてしまって悔しかったんですけど、この1年でダブルスもシングルスも含めていろんな経験をさせていただきました。

その経験を活かして、今年は全日学やインカレといった大学生の大会で結果を残したいです。

中央大学としてはインカレもリーグ戦もすべて優勝してグランドスラム達成。個人としては全日学シングルスで3位以上、ダブルスで優勝を目指して頑張ります。

〇馬渡元樹(信号器材)/武山華子(中央大)3-1 南谷健太(日本大)/杉本心麗(フェニックス卓球クラブ) 11-4/11-13/11-5/11-6

混合ダブルス3回戦

〇馬渡元樹(信号器材)/武山華子(中央大)3-0 坂根翔大(関西卓球アカデミー)/塩見真希(サンリツ) 11-7/11-6/11-7

混合ダブルス4回戦

〇馬渡元樹(信号器材)/武山華子(中央大)3-0 齋藤俊太朗/立川釉菜(明徳義塾中・高) 11-8/11-7/11-2

混合ダブルス準々決勝

馬渡元樹(信号器材)/武山華子(中央大)1-3 岡野俊介(朝日大)/田村美佳(十六フィナンシャルグループ)〇 11-8/5-11/8-11/10-12

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