日本高校選抜FW粕谷悠(流経大柏)が悔い残る国立で意地のゴール!! 試合後は広島FWジャーメインからの激励に決意新た「どの味方と組んでも点を取れるFWに」
[2.8 NEXT GENERATION MATCH U-18 Jリーグ選抜 4-1 日本高校選抜 国立]
1学年下のU-18 Jリーグ選抜に苦戦を強いられた日本高校選抜の唯一のゴールは、ベンチスタートに燃えていた流通経済大柏高FW粕谷悠(3年=AZ'86東京青梅出身)が決めた。
0-2で迎えた後半25分、右サイドを突破したDF新垣陽盛(神村学園高/3年)のクロスがファーサイドに送り込まれると、「頭を越えてからもちゃんと折り返しに準備していた」とDF田中佑磨(佐賀東高/3年)のヘディングパスに反応。しなやかな身のこなしで右足を出し、ダイレクトで押し込んだ。
「自分はベンチスタートで途中から出たからには結果を出すしかないと思っていた。点を決められたのは大きいことだと思う」。この日はベンチスタートで、高校のチームメートでもあるFW山野春太(流通経済大柏高/3年)に代わって後半19分から途中出場。「山野と2トップでやりたかったのはある」という先発落ちの悔しさも胸に、見事に結果を出した。
またそんな粕谷にとって、この舞台でゴールを決めなければならないもう一つの理由もあった。今年1月の全国高校選手権では準決勝、決勝の2試合、国立競技場でプレーしたが、粕谷はノーゴール。チームも準優勝に終わっていた。3回戦で大津高を破る決勝ゴールを決めたほか、最前線でのプレッシングや身体を張る動きで高い貢献度を見せたものの、この国立の舞台には大きな悔いを残していた。 「選手権で準決勝、決勝と決められなくて、また国立でできるのは自分も嬉しかったし、取れなかったぶん、ここで取りたいという気持ちがあった」。選手権後に胸に刻んだ「もっと点を取れる選手になる」という将来像に向け、幸先の良いスタートを切るゴールともなった。卒業後は流通経済大に進学する粕谷だが、試合後のミックスゾーンでは思わぬ出会いもあった。直後の『FUJIFILM SUPER CUP 2025』で先発出場する流通経済大柏高、流通経済大の先輩・サンフレッチェ広島FWジャーメイン良から「頑張って」と激励の言葉をかけられたのだ。
11学年も年上で、それも自身の公式戦を控える先輩が、自ら後輩のもとに出向いて言葉をかけるのは珍しい光景だが、2人は直接の面識はなかった様子。それでも試合後、ジャーメインに取材をすると、昨夏には同高の静岡合宿に顔を出したほか、彼らの高校選手権の活躍は逐一追っていたといい、「試合前に(粕谷が)点を取ったのを見たので、一言かけようかな」という思いでの行動だったことを明かしてくれた。 粕谷にとってジャーメインは進学先の流通経済大を日本一に導き、プロ入りの道を掴み取り、さらにJ1で活躍を続けるロールモデル的存在。突然の激励に「本当に実感がないくらい……。本当にありがとうございますという感じです」と感激しつつ、「これからデンソーチャレンジカップもドイツ遠征もあって、そこから大学に行くことになるけど、もっと点を取って、どの味方と組んでも点を取れるFWになってプロを目指したい」と決意を新たにしていた。(取材・文 竹内達也)