快進撃のSwitch 2に潜む影? ハードの供給不足とソフト不足の懸念 #エキスパートトピ

多根清史アニメライター/ゲームライター
(写真:ロイター/アフロ)

Nintendo Switch 2が発売されてから、およそ1ヶ月が経過しました。それ以前の4月から、任天堂の抽選販売に220万人もの応募が殺到し、ここ数ヶ月はまさにSwitch 2一色といった状況です。

すでに抽選販売は5回目を数え、大手家電量販店などではゲリラ的な販売も行われていますが、依然として品薄は続いています。

ここまでは順調な滑り出しですが、この勢いがどこまで続くのか。ハードウェアの供給不足や、「任天堂以外のソフトウェアが売れるのか」といった懸念も含め、Switch 2関連の報道をまとめてみました。

ココがポイント

Switch2が発売1ヵ月弱で140万台突破、『マリオカート ワールド』118.5万本でミリオン達成出典:ファミ通.com 2025/7/9(水)

第5回抽選では応募条件が変更に。さらに狭まった購入への門戸出典:リアルサウンド 2025/7/9(水)

Nintendo Switch 2向けゲームの開発者が「売上は最低予測を下回った」と主張出典:GIGAZINE 2025/6/20(金)

エキスパートの補足・見解

大ヒットゲーム機の後継機が成功するとは限らないことは、任天堂のWii Uが証明しています。Wii Uは発売直後は好スタートを切りましたが、最終的な累計販売台数は前機種Wiiの約8分の1にとどまりました。

現時点では、任天堂の自社製大作タイトルは少なく、最大の目玉となる『ポケモンレジェンズ Z-A』の発売も10月に予定されています。任天堂としては、今の「品薄ゆえの熱狂」に過剰に期待せず、専用ソフトが揃い始める秋から年末にかけて本格的に増産を進めるという戦略なのかもしれません。

一方で、「任天堂ハードでは任天堂製ソフトが圧倒的に強い」という傾向は、Switch 2においても変わっていないようです。しかしそれでは、初代Switchのユーザーを引き継ぐだけにとどまり、市場拡大にはつながりません。

Switch 2に搭載されたDLSS(AIによる画質向上技術)は、サードパーティ製の大作タイトルを移植しやすくするための仕組みです。今後、どれほどPS5やXbox Series X|Sの人気タイトルがSwitch 2に登場するかが、この新型機の将来を大きく左右することになりそうです。

アニメライター/ゲームライター

京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、TechnoEdgeで記事を執筆中。

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