Amazfitの新兵器「Helio Strap」が、画面なしフィットネストラッカー業界に革命を起こすかもしれない

スマートウォッチを着けたまま眠るのは、どうにも落ち着かない。本格的な筋力トレーニングでは、手首のデバイスが邪魔になる。

——多くのフィットネス愛好家が抱えるそんな小さなジレンマに、1つの答えが示されたのかもしれません。

Amazfitが発表した「Helio Strap」

Amazfit Helio Strap リストバンド型 フィットネスデータの追跡 心拍数や睡眠データの追跡 10日間のバッテリー持続 27個のスポーツモード 筋力トレーニング HYROX対応 Android & iPhone対応

これは、フィットネストラッカー市場で静かに注目されていた「画面のないストラップ型デバイス」競争において、最後発にして、現時点で唯一購入可能なモデルです。

その機能性と、$99.99という戦略的な価格は、単なる新製品の登場に留まらない、大きな可能性を秘めています。

フィットネストラッカー市場の現状

ここで少し、フィットネストラッカー市場の最近の動きを振り返ってみましょう。

噂の3製品のうち、最初に発表されたのはPolarの製品でした。

しかし、名前も写真も公開されておらず、プレスリリースにあった影のような画像が、かつて一般消費者向けには販売されなかった「Polar 360」に似ている、ということ以外は謎に包まれています。

価格は未発表ですが「サブスクリプション不要」になるようです。

次に登場したのが、Garminの「Index sleep monitor」。価格は$169.99で、こちらもサブスクリプションは不要

しかし、その名の通り用途は睡眠記録に限定され、スポーツには使えません。

そしてついに、プロのHyroxアスリートたちが先行使用して話題になっていたAmazfitの「Helio Strap」($99)が、先週から一般向けに発売されたのです。

私の元にもレビュー機が向かっているところですが、スペックを見る限り、これが私がもっとも期待しているバンドであると断言できます。

これはGarminがリリースすべきだった製品であり、これから登場するPolarが超えなければならない基準を打ち立てた、と言っても過言ではないでしょう。

100ドル以下という、戦略的な価格設定

画面のないストラップに、100ドル以上を払う価値はあるのか?

——これは、多くの人が抱く素朴な疑問でしょう。

機能だけを見れば、それはスマートウォッチの役割の一部を切り出したものに過ぎません。

Whoopがその価格で受け入れられているのは、卓越したアプリケーションを通じて、詳細なデータ分析や日々のプランニングといった継続的な「サービス」を提供しているからです。

ユーザーはハードウェアに対してではなく、その価値あるサービス体験にこそ対価を払っているのです。

しかし、一括払いでデバイスを買うとなると話は別。Garminの$169.99という価格には、どうも納得がいきません。

多くのユーザーは、すでに200ドルから1,000ドル以上もするGarminのウォッチを持っているはずで、それに加えて高価な睡眠専用デバイスを買い足すことになるのですから。

その点、Helio Strapは睡眠とワークアウトの両方をカバーします。

これは、Garmin Indexの半額強の価格で、2倍以上の応用範囲を持つことを意味します。睡眠という特定のシーンだけでなく、アクティブな活動記録という、もう1つの重要な役割を担えるからです。

睡眠とワークアウト、これ1つで完結する“二刀流”

Garminのデバイスは睡眠専用、Polarのデバイスは24時間装着を想定している可能性がありますが、AmazfitのHelio Strapは睡眠に加えてエクササイズでの使用も明確に謳っています

Amazfitによると、27種類のエクササイズモードを搭載しているとのこと。

数自体は膨大ではありませんが、私が特に惹かれているのは「スマート筋力トレーニング」と「Hyroxレースモード」です。

さらに、AmazfitはHelio Strap用のアームバンドも発売予定とのこと。

個人的に、ケトルベルやリストラップを使う筋トレやファンクショナルフィットネスでは、手首につけるデバイスは邪魔になりがちなので、アームバンドの選択肢があるのは非常に嬉しいポイントです。

本当に恐れるべきはWhoopではなく、Garminだ

資料によると、Helio Strapのバッテリー寿命は10日間。ストラップで収集されたデータは、ほかのAmazfitウォッチと同様にZeppアプリに集約されます。

つまり「T-Rex 3」や「Bip 6」、あるいはデュアルバンドGPS、オフラインマップ、サファイアガラスの画面を搭載しながら$299という価格を実現した新型「Balance 2」といったAmazfitウォッチと、Helio Strapを自由に切り替えて使えるのです。

これこそ、多くのGarminウォッチユーザーが、心のどこかで長年望んでいた「理想の選択肢」ではないでしょうか。

  • お気に入りの高機能ウォッチは日中に着け、睡眠時や特定のトレーニング時には邪魔にならないストラップに切り替える。
  • しかし、データは途切れることなく、使い慣れた1つのアプリに集約され続ける。
  • そのための追加デバイスは、納得感のある価格で手に入る。

この「TPOに応じたデバイスの使い分け」と「データの一元管理」の両立こそ、Helio Strapが提案する核心的な価値なのです。

Helio Strapには「BioCharge」という機能まで搭載されています。これはGarminの「Body Battery」によく似た機能です。

「Body Battery」は睡眠や休息で数値が上がり、運動やストレスで下がる指標。

私自身は無視していますが、1日のエネルギーレベルを数値で把握するのを楽しんでいる人も多いようです。

唯一の懸念?GPSはスマホ頼みという割り切り

ただ1つ、確信が持てないのがGPSの扱いです。Helio Strapの仕様には一切言及がありません。

バッテリー寿命に関する注釈で、屋外でのワークアウトはスマートフォンのGPSに接続することが前提とされている点から、GPSは内蔵されていないようです。

これはWhoopと同様のアプローチであり、意図的にGPS機能を省くことで、デバイスの小型化、軽量化、そして長いバッテリー寿命を実現するという設計思想の表れです。

しかし、これにはトレードオフが伴います。

スマートフォンのGPSは、専用ウォッチほど正確ではない可能性があり、デバイスではなくスマートフォンのバッテリーを消費します。

とはいえ、屋外でのランニングを記録するなら、いずれにせよ高機能なウォッチを身につけたいと思う人が多いでしょう。

そうなると、やはり「ウォッチとストラップの2台持ち」という、Amazfitが狙っているであろう使い方に落ち着くのかもしれません。

AmazfitとFitbitでガチ悩みしている編集部員が徹底比較。スマウォ2台目、ワークアウト重視か普段使い重視か | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/amazon-sale-amazfit-vs-fitbit/

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Amazfit Helio Strap リストバンド型 フィットネスデータの追跡 心拍数や睡眠データの追跡 10日間のバッテリー持続 27個のスポーツモード 筋力トレーニング HYROX対応 Android & iPhone対応

Source: Amazon, Polar

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