米消費者は「目に見えて疲弊」、S&P500種は5300に下落も-UBS
- 雇用・支出見通し、消費者信頼感が警戒シグナル発信-バウェジャ氏
- 債券に対して以前より前向きな見方-経済減速でインフレ懸念和らぐ
米国の消費者は「目に見えて疲弊」しており、それが今後株価を一段と圧迫しそうだと、UBSインベストメント・バンクのチーフ・ストラテジスト、バーヌ・バウェジャ氏が指摘した。S&P500種株価指数はさらに8%下落する可能性があるという。
バウェジャ氏は、雇用や支出に関する見通し、消費者信頼感といった指標はいずれも警戒シグナルを発していると指摘。アナリストらが向こう3-4カ月の利益予想を下方修正する中、バウェジャ氏は、S&P500種が5300にまで下げるとの見通しを示した。
S&P500種はここ数日に2週間ぶり高値まで回復したものの、4月2日に米国が発表を予定している相互関税による経済の影響については多くの懸念が残っている。
ロンドンから取材に応じたバウェジャ氏は、「もし3カ月前に『米経済は減速する』と言っていたら、笑われて相手にされなかっただろう。だが突如として、移民の減少や追加的な財政支援の欠如がデータに表れ始めている」と述べた。
HSBCホールディングスのマルチアセット担当のストラテジストらも25日、経済成長へのリスクを理由に米国株の投資判断を「アンダーウエート」引き下げた。だがJPモルガン・チェースやモルガン・スタンレー、エバコアISIなどの株式ストラテジストは最近の株価低迷について、投資家心理やポジション、有利な季節性などを理由に最悪期は過ぎた可能性があると顧客に助言している。
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バウェジャ氏はまた、債券に対して以前より前向きな見方を持っていると発言。経済の減速によりインフレ懸念が和らいでいるためとしている。米国債については10年物より2年物の方が妙味があるとし、2年物の方が利下げの恩恵を受ける可能性がより高いためだと説明した。
原題:UBS’s Top Strategist Sees Consumer Slowdown Hitting S&P 500 (1)(抜粋)