『学マス』は、バンダイナムコエンターテインメントより配信されたアイドル育成シミュレーションゲーム。『アイドルマスター シャイニーカラーズ』に続く『アイドルマスター』における6個目のブランドであり、アイドル育成校“初星学園”を舞台にした物語が展開される。 リリースされた直後から、超ハイクオリティなライブ演出とデッキ構築系ローグライトを基本とした高いゲーム性で話題に。
衝撃的だったのが、プロデューサー(プレイヤー)の成長とアイドルの成長が見事にリンクするようなゲームシステムになっていたこと。ゲームをいい成績でクリアーすることで、よりいいシナリオが見られる……というのはあまたのゲームに見られる特徴だが、『学マス』はシナリオだけではなく、アイドルたちのライブパフォーマンスも成長するというのが大きな特色となっていた。 そこに、アイドルたちの“個”にフォーカスし、挫折からどうはい上がり、成長していくのかを真摯に描いた親愛度コミュがさらなる熱を添える。それぞれが抱える思いを知り、プレイする自分自身も難度の高いプロデュースに挑戦しては挫折を味わい、最後には高い壁を超え、アイドルとともに最高のライブへと辿り着く――。リリース当初はゲーム自体の難度が高かったこともあり、この一連の体験に脳を焼かれたプロデューサーも多かったのではないだろうか。
最初にTrue LIVEを見たときのメモリーは一生消せない。写真の選定にすごく時間をかけた記憶がある。
ほかにもユニットでの活動を描いた初星コミュ、親愛度コミュSTEP2とプロデュースモード“N.I.A編”の追加など、『学マス』初年度の展開はまさに怒涛のひと言であった。
では続く2025年5月~2026年5月までの2年目はというと、初年度とはまた違った方向性へとコンテンツを拡充させていったような印象を受ける。
1年目はとにかくコンテンツを“増やす”ことで成長したとするならば、2年目は作り上げた豊富なコンテンツを使って展開を“広げる”形で成長を遂げた印象だ。
たとえば誕生日のコンテンツは、新規楽曲の発表から既存曲を披露するミニライブへと変わった。
実際、楽曲だけで見れば、ライブでのみ公開された楽曲も含むと初年度は約70曲近くを発表。2年目は約20曲とかなり数字に差がある(それでもかなりの数ではあるが)。その分1曲に対しての密度を増しつつ、誕生日ライブやライブツアーイベントを通じて楽曲自体の掘り下げや物語性が与えられた。
たとえば誕生日ライブは、ゲーム内MVが存在しない誕生日曲(
『Try it now』や『叶えたい、ことばかり』など)やカップリング曲(『EGO』、『Unhappy Light』など)をアイドルが歌って踊り、曲への思いが語られる貴重な場であったし、ライブツアーイベントでは『ENDLESS DANCE』がどういった楽曲であったのかが明かされる展開などもあった。
手毬の生誕ミニライブは「歌い切ってくれよ……!」と、プロデューサー的な視点でヒヤヒヤしながら見守っていた記憶がある。
『ENDLESS DANCE』などのライブツアーイベント楽曲は、ゲーム内のライブ映像がMV風に。
初年度のN.I.Aのように新たなプロデュースモードが追加されることはなかったものの、それぞれ既存モードに新しい難度が追加。とくに2025年末に実装された“初レジェンド”からは、特殊なレジェンドスキルカードが登場した。
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※詳細はゲーム内お知らせをご確認ください#学マス pic.twitter.com/cIsoPdo36n
— 学園アイドルマスター【公式】 (@gkmas_official)
December 26, 2025
これにより、レジェンドスキルカードを活かすために、新たな立ち回りやカードピックの研究がなされることに。結果的にいくつかの強力なレジェンドスキルカードを中心にメタ(環境)が回るような形となったが、個人的には「これまでになかったような法外な性能のカードをどう活かすか」を考えるのはワクワクさせられた。
中間試験、最終試験のスコアがクリアー時のランクに大きく影響するため、
N.I.A以上にプロデューサーどうしの戦いが白熱していた印象もある。N.I.Aマスターを抜けてすぐの中級者帯にとっては難度が高すぎたような気もするが、ある程度プレイしている身からするといままででいちばん楽しいプロデュースモードだったように思う。
猛威を振るったアノマリーのレジェンドカード・スーパーノヴァ。調整が入るまでは最後の1ターンで温存と強気を何度もくり返し、熱意を溜めてからスーパーノヴァを使う動きが強力だった(画像は調整後のもの)。
2年目はゲームプレイ、楽曲ともに新たな要素をとにかく増やすのではなく、“いまある物をどう広げるか”に重点が置かれていたように感じた1年だった。 リアルライブである“初星音楽祭”はその最たるもののように思う。新曲
『わかし・さわがし・スカパンク』や『かちドキ』などのライブ未発表曲を披露しつつも、セットリストの主軸はこれまでのライブで何度も披露してきた楽曲たち。それらをブラス、ダンサー、バンド、アコースティックアレンジなどを通じて、新たな魅力を見せていくライブとなっていた。
「では2年目に新規展開はなかったのか」と言われると、無論そんなことはない。2年目の大きな新コンテンツとしては、アイドル・秦谷美鈴と雨夜燕、そして親愛度コミュSTEP3の実装だろう。 秦谷美鈴に関しては……よくもまあ、あんなキャラクター性のアイドルを出したなと感心してしまう。なんせ目指す先が、すべてを塗りつぶす“夜空”そのものである。月とか太陽とか、一番星とか言っている中ひとりだけスケールが違う。
画像は“【学マス】月村 手毬 STEP3 告知PV【アイドルマスター】”より。初めて『ヨルニテ』を聞いたときの衝撃がよみがえるようなセリフだった。
画像は“【学マス】秦谷 美鈴 STEP3 告知PV【アイドルマスター】”より。「屈服させましょう」とは。
ほかのアイドルがとにかく努力して突っ走る姿を描いているのに対し、「これが自分のペースだから」とゆっくりと歩きながら、それでいて誰よりも先にいる。見た目の穏やかさからは想像もつかないほどに尖ったアイドルだ。
楽曲も個性が粒だった『学マス』楽曲の中でもひときわ異色。唯一
『たいせつなもの』だけは穏やか(当然解釈にもよるだろうが)だが、ほかは歌詞か曲調のどちらかが穏やかでない。最新の楽曲である『VEIL』はさらにその個性を強調し、その圧倒的な“音”ですべてを覆い隠すような1曲に。
雨夜燕は、『学マス』内では初めてNPC(副会長)から名前と3Dモデルが追加され、そしてプレイアブルへと変わっていったアイドルだ。リアルライブである“初星大運動会”で、星南役である陽高真白さんからの「さあ、つぎはあなたの番よ」という呼び込みから燕役の天音ゆかりさんが登場し、『理論武装して』を歌い上げ、その後実装が発表。あの激情迸るステージは、いまだ記憶に新しい。
雨夜燕のシナリオは、“叛逆”という言葉がふさわしいだろう。星南の持つ才能を前にして、一度は折れてしまった心を叩きなおす。気づかぬうちに心地よく感じていた“初星学園No.2”の座を自分の甘さごと切り捨て、再び頂点へと刃を向ける。十王星南という絶対の一番星を撃ち落とさんとする、アイドルたちの最前線に立つ叛逆者。それこそが雨夜燕なのだ。
画像は“【学マス】雨夜燕、実装決定。 初報PV【アイドルマスター】”より。コミュのセリフもそうだが、個人的には夜の校舎でひとり歌うこの姿の印象が強い。
2026年5月現在、まだ燕はSTEP3の実装はおろか、楽曲も『理論武装して』以外は披露されていない。真面目なところ、厳しいところ、少し抜けているところ、的確にツッコんでくれるところ、高笑いする姿が悪役すぎるところなど、さまざまな魅力を見せてくれている燕。彼女がこれから先、どのような魅力を見せてくれるのかに期待したい。
個人的にはリーリヤとの絡みがとても好き。ふたりでカラオケとか行ってほしい。
2年目にあった、もうひとつの大きな新要素がメインシナリオである親愛度コミュのSTEP3。 STEP1で問題を解決し、STEP2では学外を巻き込んだ大会にて大躍進。そして迎えた夏のH.I.F――満を持しての挑戦は、さまざまな要因により粉々に打ち砕かれてしまう。基本的には“夏H.I.Fに敗退し、そこで見えた課題にどう立ち向かっていくのか”というシナリオが展開されていた。
1年生組はだいたい上記の流れに。3年生組は“敗退することで見えた課題をどうするのか”というより、卒業後の展開を意識させるような各種問題が立ちはだかるようなストーリーが展開された。
もちろん、その道筋はアイドルによって大きく異なる。選抜試験に落ちた者、本戦でライバルに負けた者、予想外のアクシデントに見舞われた者、そもそも選抜試験を受けなかった者……などなど。
その中でも(STEP3未実装の燕は除いたうえでの話にはなるが)星南だけは少々特殊な立ち位置にいる。彼女は“H.I.Fの新生”というまったく違った目標を持ちながら行動し、最後には全体のレベルを大きく引き上げた夏のH.I.Fで見事に優勝して見せた。課題の提示と達成という意味ではシナリオの大枠は変わらないものの、続く冬のH.I.Fでは
唯一挑戦者ではなく王者として相手を待ち構える側に立っている。 そういった形でアイドルごとに紆余曲折はあれど、冬のH.I.Fに向けた最後のステップアップを『学マス』は1年かけて描写してきた。
新生させた冬のH.I.Fは、より選抜の基準を引き上げ、トップアイドル級のアイドルがぶつかり合い新たな“一番星(プリマステラ)”を生み出す儀式にすることを目標とするのだと言う。
STEP4では、(恐らく一部のアイドルを除き)十王星南がラスボスとして立ちはだかるようだ。
シナリオの実装は1ヵ月にひとりずつ。さらにシナリオと同時に、それぞれのアイドルに新たな専用曲と衣装が用意されるという形での実装だ。『空と約束』のドローン鯨や『一体いつから』の満月など、ライブシーンも多くの趣向が凝らされており、より高まった技術力で楽曲の世界観を表していたのが印象的だ。
STEP1楽曲のライブシーンをオマージュしたようなステージセットも素晴らしい。
どの楽曲も、これまでアイドルたちが歩んできた道の集大成とも呼べるようなものであることは間違いないだろう。
それらがSTEP3のエンディングに流れるというのも粋な演出だった。シナリオを読み終わった後、アイドルごとの物語性に沿った曲が圧巻のライブシーンとともに流れるだけで、余韻が増すというもの。
STEP3楽曲のPアイドルを持っていない状態でエンディングを見て「やっぱ欲しいな……」と、
衝動的にピックアップガシャを回したのは筆者だけではないはず。
STEP2(画像上)のエンディングのサインは“生徒としての記名”という感じのものだったが、STEP3(画像下)ではSSRPアイドルなどの演出で使われるものに変わっている。この変化もとても好き。
また、STEP3衣装には新しい試みとしてヘアアレンジやカラーアレンジが実装されていた。ポニーテール、好きなんですよね……。
STEP3は初めて新たなプロデュースモードと同時に実装されなかった親愛度コミュでもある。そのためシナリオがゲームの進行度に依存せず、物語がより“個”へとフォーカスするものになっていたのがSTEP3の持つ大きな特徴と言える。
たとえば皆一様にN.I.Aを目指したSTEP2と同様に、夏のH.I.Fを新プロデュースモードとして同時にリリースしていたならば、
選抜試験で負けてしまう展開や、挑んですらいないアイドルを描くこと、ましてやひとりだけ優勝してしまうようなシナリオは実現できなかっただろう。
シナリオの演出面も進化を遂げた。咲季のSTEP3には驚かされた人も多かったのでは。
この描写の違いがあることで、アイドル個人の実力や課題が明確に。それぞれが持つ物語性もより強調されているように感じられた。 定期公演である“初”に挑戦しながらも、個別の親愛度コミュには大きく絡んではこなかったSTEP1と同様に、「同じ一番星に向かってはいるけれど、それぞれ通ってきた道筋は違う」ということが、改めて描かれていたように思う。
スパルタ合宿や必殺技の習得など、それぞれのアイドルに適した成長の形がある。しっかりと個を描いたことで、よりそこが明確になったと感じた。
ただ、メインシナリオの展開を“冬のH.I.Fに向けた準備”のみでまる1年使ったというのも事実。ゲーム体験とのリンクを切り離した結果、STEP3のシナリオは個へフォーカスしたたいへんすばらしいものとなった。しかしSTEP1とSTEP2にあった、プロデューサー自身のゲーム体験と物語がリンクすることで生まれる特大のカタルシスが得られるようなものではなかったと言っていいだろう。 だからこそ、新プロデュースモードとともに展開されるSTEP4が待ちきれない。情報を見ている限りだとかなりの回数プロデュースを重ねなければ突破できないような仕様になっているようなので、最後の展開にたどり着いた際の達成感もひとしおだろう。 改めて個へと立ち返り、それぞれが異なる道筋を経て立つステージがどのようなものになるのか――。記事を書いているいまこの瞬間もはやる気持ちは抑えられそうにないが、いまはぐっとこらえつつ、アイドルごとに順次実装されていくシナリオを待つことにしよう。
プロデューサーたちからアイドルのキャッチコピーを募集する企画も実施。PVでは熱い思いの篭った文章がずらりと並んだ。
ほかにも2年目にはゲーム外に様々な施策が。とくに印象に残っているのは長期の企画であった“初星文化祭”だろうか。リアル脱出ゲーム“人狼潜む文化祭からの脱出”を皮切りに、“初星学園放送部”の映像付きラジオ配信、池袋で行われた“初星文化祭フェア”、ライブイベントである“初星音楽祭”など、リアルイベントも含めて多くの施策が行われた。
後夜祭では、これまでMVがなかったカップリング楽曲と、リリックビデオのみだったシーズン楽曲などの新規MVを生放送で一挙公開。5月現在も生放送内で公開されたMVのアップロードが続いている。
これからの3年目にも、数多くの施策が予定されている。まずは5月16日、17日に行われる3DCGライブ“学園アイドルマスター The 2nd Period 「H.I.F選抜試験」”。そして6月6日、7日に行われるキャスト陣の出演するリアルライブ“学園アイドルマスター The 2nd Period 「Hatsuboshi IDOL FESTIVAL」”。 2年目の総決算でありつつ、新たな年の始まりとなるこのライブへの期待も高まるばかり。とくに“H.I.F選抜試験”はゲーム内とのリンクが気になるところ。まだライブでは披露されていない、STEP3楽曲のお披露目も楽しみだ。
ゲーム内ではあの名曲『GO MY WAY!!』が実装決定。さらに実装に合わせてイベントも開始されるという。すでに公開されているあらすじを読むに、なにやら765プロのカバーライブイベントに出場するという内容になっているとのこと。
内容も気になるが……765プロのカバーライブイベントなんて設定が出てくるのであれば、
『学園アイドルマスター GOLD RUSH』でことねが歌った『READY!!』や麻央がカバーをしている『エージェント夜を往く』、“初星音楽祭”で披露された『VOY@GER』や『CRYST@LOUD』など、ほかの楽曲も実装を期待してしまう。 8月からは新ガシャシリーズが始まるとのことなので、カバーライブイベントが続投していくわけではないのかもしれないが……今後の展開も楽しみにしておきたい。
//「GO MY WAY!! 」イベントあらすじご紹介 ✨\\「GO MY WAY!! 」実装に合わせた咲季・ことね・佑芽が主役のイベントあらすじをご紹介します📖イベント開催をお楽しみに ✨
📅6月下旬 登場予定!#もうすぐ学マス2周年💫 #学マス pic.twitter.com/pIvDBWvtkj
— 学園アイドルマスター【公式】 (@gkmas_official) May 8, 2026
この1年も、怒涛の展開で休む暇もないほど楽しませてもらった『学マス』。いま出ている情報を確認しても、3年目もその楽しみが続くことは変わりないようだ。これからも初星学園プロデューサー科のいち生徒として、存分に本作を味わいつくそうと思う。
エイプリルフールも楽しみ! あさり先生グッズのさらなる展開を待っております。
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