イスラエルがガザ空爆、支援物資の搬入停止-ハマスと非難の応酬

イスラエルは19日、パレスチナ自治区ガザへの空爆を実施した。ラファに展開していた部隊が攻撃を受けイスラエル軍兵士2人が死亡したとしてイスラム組織ハマスを非難し、ガザ地区への支援物資搬入を全面停止したと報じられている。

  イスラエル国防軍(IDF)は、「明白な停戦合意違反」への報復として、ハマスの武器庫や発射拠点、戦闘員の拠点、インフラなど数十カ所の目標を攻撃したと説明。約6キロにわたる地下トンネルを120発超の弾薬を投下して破壊したと明らかにした。AP通信はイスラエルが当面、ガザへの支援物資の搬入を停止したと、匿名の治安当局者の話を引用して報じた。

  今回の緊張の再燃は、トランプ米大統領の和平計画実現を目指す外交努力のさなかに起きた。ハマスは停戦の履行状況を協議するため、代表団がカイロに向かったとしている。

  イスラエル当局者によると、バンス米副大統領は今週、ウィトコフ中東担当特使とトランプ氏の顧問で娘婿のジャレッド・クシュナー氏とともに中東を訪問する見通しだ。これはトランプ大統領が取りまとめた停戦合意を維持することに、政権が注力していることを示している。

  在エルサレムの米大使館は現時点でコメントしていない。

  イスラエル軍によれば、19日にガザ南部ラファに展開していた部隊が対装甲ロケット弾や銃による待ち伏せ攻撃を受け、兵士2人が死亡、2人が負傷した。同地域では17日にも同様の攻撃があった。

  イスラエル首相府によると、ネタニヤフ首相はハマスが停戦合意を破ったと非難し、「ガザ地区内のテロリスト目標に対して強力な措置を取るよう」命じた。

  一方、ハマスもイスラエルが停戦合意に違反していると批判。過去1週間で少なくとも27人のパレスチナ人がイスラエル軍の攻撃で死亡したと主張している。

  これに対し、イスラエル側はイエローラインを越える侵入を防ぐために発砲したと説明している。停戦合意ではこのラインまでイスラエル軍が後退するよう定められており、この線は現在、警告を明確にするために色付きの標識で区分けされつつある。

  ハマスは停戦に引き続きコミットしているとしながらも、ラファで活動する戦闘員とは連絡が取れず、従ってその行動に責任を負えないとの見解を示した。

イスラエルの攻撃を受けたガザ中心部(10月19日)

原題:Israel Attacks Hamas Positions, Suspends Aid as Ceasefire FraysIsrael Attacks Hamas Posts, Suspends Aid as Ceasefire Frays (3)(抜粋)

— 取材協力 Ethan Bronner, Michael Nienaber, Sara Gharaibeh and Fares Alghoul

(イスラエル部隊への攻撃の詳細などを追加して更新します)

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