日本の小学生、「算数の学力」は世界でもトップクラスなのに…“苦手と感じる子”が多い衝撃の理由(with online)

日本の小学生の算数の学力は、世界的に見ても高いレベルにあります。しかし、驚くことに子どもたち自身は「算数は楽しい」と感じる割合も、「得意」と思う割合も国際平均を下回っているのだそうです。 【なぜ、算数が苦手な子どもが多いのか?】西の超名門校・灘の現役数学教師が明かす“つまずく子の共通点” なぜ、点は取れるのに楽しさや自信を感じられないのでしょうか。 そこで今回は、私立中学入試に匹敵する難問が並ぶ「算数オリンピック」を活用し、子どもたちの算数力を大きく伸ばしている算数専門塾「りんご塾」。その創始者である田邉亨さんの著書『本物の算数力の育て方 子どもが熱中する「りんご塾」の教育法』(講談社)を一部抜粋してご紹介。 国際比較データと全国学力テストの結果から、子どもたちの算数に対する“楽しさ”と“得意感”のギャップの正体に迫ります。

日本の小学生の、算数の学力はどのくらいのレベルなのか。また、子どもたちは算数の勉強をどう思っているのか。それを知るのにうってつけの資料がある。 IEA国際数学・理科教育動向調査(Trends in International Mathematics and Science Study:TIMSSティムズ)という調査だ。その概略は下の囲みにまとめておいた。 【TIMSS:国際教育到達度評価学会(IEA)が進めている国際的な学力調査で4年に1回行われる。対象となるのは学年でいうと小学4年生と中学2年生で、算数・数学と理科の2科目の学力テストのほか質問紙を用いたアンケート調査も実施。最も新しい2023年の調査には、58の国と地域から小学生約36万人、44の国と地域から中学生約30万人が参加した。】 これは算数・数学と理科を対象に、4年ごとに実施される国際的な学力調査だ。2023年には日本から小学4年生3875人が参加した。算数の成績を比較すると、各国の順位は次のようになった[以下、TIMSSに関する記述は⽂部科学省・国⽴教育政策研究所「TIMSS 2023の結果(概要)」より]。 第1位 シンガポール 第2位 台湾 第3位 韓国 第4位 香港 第5位 日本 第3〜5位は「日本の平均得点と有意差がない国・地域」だそうだから、4年ごとの開催にちなんでオリンピックにたとえると、日本は銅メダルくらいの実力だと考えても差し支えなさそうだ。 さらに総合順位をさかのぼって見てみると、図1に載せた画像のいちばん上に掲げた表のようになった。2023年の結果がたまたま良かったわけではないことがわかる。 日本の順位はやや低下傾向だが、参加する国・地域が増えているから影響が出るのは致し方ない。むしろ、ライバルが増えたにもかかわらずベスト5はキープできているわけだから、日本の小学生の算数の学力は、世界的に見てもなかなかレベルが高いと言えるのではないだろうか。

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