5分でわかるGoogle I/O発表まとめ--ChromeのAIモード、AI動画生成Flow、究極の3D会議Beam

 次世代XRグラス「Project Aura」、気の利いた相棒になるChromeのAIモード、進化した会話型AI「Gemini Live」、新たな生成動画ツール「Flow」など、Googleが目指すAIの世界はますます広がっている──。

発表内容のサマリー(Google) ※クリックすると拡大画像が見られます

 予想通り、今年のGoogle I/OはAI一色だった。新たに発表されたAI全機能が使える有料プラン「AI Ultra」(月額250ドル)は話題をさらったほか、新たな生成AI動画機能「Flow」はAIを活用したクリエイティブ制作をさらに一歩先へと進める。

 また、Googleが拡張現実(XR)の次世代を担う存在として発表したのが「Project Aura」。Xreal製の最新ARグラスが初公開され、眼鏡型デバイスで現実世界とデジタル空間をシームレスにつなぐ体験が間近に迫った。

 さらに、Samsungと共同開発したXRヘッドセット「Project Moohan」も登場。Googleはヘッドセットにとどまらず、多様なXRデバイスの可能性を模索する方針だ。

未来感あふれる「Project Aura」のXRグラス (James Martin / CNET) ※クリックすると拡大画像が見られます

 Google I/Oで紹介されたAI新機能の多くは、有料サブスク会員向けだ。新たな「Google AI Pro」(月額20ドル、約2900円)は従来の「Gemini Advanced」を改称したもので、一部機能も追加された。

 一方、最高峰を目指すユーザー向けの「Google AI Ultra」(月額250ドル、約3万6000円)は、Googleの最新かつ高性能なAIツールとモデルがすべて利用可能。AIエージェント管理用のプロトタイプや、30TBの大容量ストレージも備える(最初の3か月間が半額)。まず米国で提供されており、順次その他地域にも広がる。

 さらに、Gmailの自動返信機能「スマートリプライ」も進化。「Personalized Smart Replies」として、ユーザーの個性を反映し、端末内のデータまで参照して、より自然で的確な返信を生成するようになる。まずは今夏からAI Pro以上の会員向けに提供される。

 開発者向けイベントらしく、高性能なAIモデルやコード生成ツールなど、クリエイター向けの内容も充実していた。特に注目されたのは対話型AIアシスタント「Gemini Live」(旧Project Astra)だ。音声ベースで多様なタスクをこなす統合型AIで、研究者向けの「NotebookLM」にも組み込まれ、その機能を大きく向上させている。

 Google AI Pro以上の有料会員およびChromeのベータ/Dev/Canary版ユーザーは、ChromeのAIモードを試せる。

 Chromeの画面の情報から要約や調査を行い、エージェント型のチャットも提供する。スマートフォン向けのGemini Liveと似ているが、PC利用を想定した仕様となっている。MicrosoftのEdgeブラウザに搭載された「Copilot」に対抗する狙いだ。

 今後は複数タブをまとめて情報を統合したり、音声操作に対応したりといった拡張も計画されている。検索機能も個人データを活用した「AIモード」で大幅に強化され、よりパーソナライズされた検索結果を提供する。


 ショッピング体験もAIで劇的に向上する。Googleは会話形式で買い物をサポートし、最安値を自動で追跡するチェックアウト機能を導入。ユーザー自身の写真でリアルな試着ができる新機能も提供する予定だ。なお、「試着」機能は米国ではすでに試験的に提供されている。


 Googleの3Dビデオ会議システム「Project Starline」が、「Google Beam」として進化を遂げた。VRゴーグルをかぶるのではなく、裸眼で立体視を実現する「ライトフィールドディスプレイ」によって、臨場感あるコミュニケーションを実現する。

 ライトフィールドディスプレイの上下左右に内蔵したカメラによって人物を撮影。AIがリアルタイムで合成することで60fpsの滑らかな3D映像を提供する。対応ディスプレイはHPから発売さる予定だ。

 3Dスキャンに長けるHPとも提携し、3Dスキャン技術をさらに高度化させる。
対応ディスプレイはHPから登場する。

 Google Flowは、Imagen 4とVeo 3を基盤にした新ツールだ。ひとつのプロンプトでAI動画クリップを生成し、シーン間の一貫性を保ったまま連結や尺の延長まで行えるほか、カメラワークなどの編集機能も搭載する。Gemini AI Ultraプランで利用可能だ。

 Imagen 4の画像生成はディテールがさらに細かくなり、色調表現や文字・タイポグラフィも向上。処理速度も高速化された。今日公開されたVeo 3は、物理挙動の理解が深まり、効果音や環境音、セリフといったネイティブ音声生成に対応している。

 これらの機能はAI Proプランでも利用できる。また、Googleの生成AI検出ツール「Synth ID」も本日から提供開始された。

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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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