イスラエルの米世論工作、5000万ドルの実験に
<MAGGIE SEVERNS, JOSH DAWSEY AND NATALIE ANDREWS/2026年7月20日>
「エマ」や「サラ」という名前の送信者からテキストメッセージが届く。「フレンズ・フォー・ピース」というグループを名乗り、「米国とイスラエルの対イラン和平交渉が世界の安全保障にどう影響すると思うか」と問いかけてくる。
ここ数カ月、同様のテキストメッセージが何百万件も米国人の携帯電話に届いている。これらは人工知能(AI)で作成され、ドナルド・トランプ米大統領の長年の側近が率いる企業によって配信されている。その費用を負担しているのはイスラエル政府だ。
米調査機関ピュー研究所が3月に実施した世論調査によると、米国の成人の約60%がイスラエルに対して否定的な印象を抱いている。その一因は、同国によるパレスチナ自治区ガザとイランでの戦争への対応にあるという。
イスラエルはこの流れを押し返すため、AIを活用した斬新な戦略を導入したり、保守系メディアに直接資金を提供したりするなど、やや無謀とも言える取り組みに数千万ドルもの資金を投じている。
JD・バンス米副大統領は今月、 イスラエルが世論工作によって米国のイラン紛争終結に向けた交渉を妨害しようとしていると非難した 。同氏はポッドキャスターのジョー・ローガン氏に対し、イスラエル当局者の一部が「米国の世論を操作・誘導し、戦争を無期限に続けようとしている」と語った。
AIを活用したテキストメッセージは、トランプ氏の長年の盟友であるブラッド・パースケール氏とイスラエル政府が最近締結した4500万ドル(約73億円)超の契約の一部だ。
イスラエルのギドン・サール外相は昨年末、同国は「意識の形成」や世界各地でのイメージ向上に向けた取り組みを拡大するため、2026年予算として7億ドル超を計上したと述べた。イスラエル外務省は取材要請に応じな…