MLB=イチロー氏が米殿堂表彰式典でスピーチ、「野茂さんありがとう」

 MLBマリナーズなどで活躍し、日本人初の米国野球殿堂入りを果たしたイチロー氏が27日、ニューヨーク州クーパーズタウンで開かれた表彰式典に出席し、英語でスピーチを行った(2025年 ロイター/Imagn Images)

[27日 ロイター] - 米大リーグ(MLB)マリナーズなどで活躍し、日本人初の米国野球殿堂入りを果たしたイチロー氏が27日、ニューヨーク州クーパーズタウンで開かれた表彰式典に出席し、英語でスピーチを行った。

雨により1時間程度遅れて始まった式典でクロージングスピーチを任されたイチロー氏は「今日、私はもう二度と味わうことがないと思っていた感情を抱いている。3回目のルーキーになった。殿堂入りの価値を守り続けたい。でも、もう51歳なので、新人いじりは勘弁して。もうフーターズの制服は着なくていい(新人に仮装させる恒例だった行事)」と冗談を交えて心境を語った。

2001年にマリナーズで日本人初の野手としてMLBデビューを果たしたイチロー氏は初年度にア・リーグ新人王、MVP(最優秀選手)に輝くと、いずれも10年連続の200安打、ゴールドグラブ賞獲得、オールスター選出などの活躍を見せ、3000安打も達成。04年にはシーズン262安打のMLB歴代新記録を達成した。

19年までプレーしてMLB通算3089安打を記録し、生涯打率は3割1分1厘。今年、有資格1年目でアジア人初の快挙となる殿堂入りとなったが、得票率99.7%で史上2人目の満票をあと1票で逃した。

唯一票を投じなかった記者の存在に注目が集まった当時、イチロー氏はその記者を自宅に招待するとジョークを飛ばしていたが、式典でも「3000安打や1シーズン262安打は記者に認められた功績。ああ、ただ1人を除いてね。ところで、私の家でその記者にディナーをごちそうするというオファーは、もう期限が切れた」と触れて笑いを誘った。

また、英語によるスピーチの中で日本語で話す場面があり、「野茂さん、ありがとうございました」と1995年にドジャースに加入し、日本人選手のMLB挑戦のパイオニアとなった野茂英雄氏に感謝を述べた。

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