あきらめない姿勢の結実…新潟MF奥村仁が後半AT弾、3点ビハインドも「追いつくための、逆転するための1点だと…」
MF奥村仁
[6.25 J1第15節延期分 川崎F 3-1 新潟 U等々力]
あきらめない姿勢を見せつけた。アルビレックス新潟のMF奥村仁は0-3で迎えた後半アディショナルタイム5分過ぎにゴール。「自分たちは誰一人あきらめていなかった」と振り返った。
2日前に指揮官が交代した。降格圏に沈む新潟は、今シーズンからチームを率いていた樹森大介前監督が退任し、入江徹コーチが監督に就任。勝てば暫定的に降格圏脱出となる新体制初陣で勝利を目指した。
だが、前半のうちに川崎フロンターレにセットプレーから2失点を喫した。ここまで先発が続いていた奥村はベンチスタート。入江監督は「今までの試合は選手交代でパワーアップできていなかった」と起用法の意図を明かす。 「今までずっと先発で出ていた選手を休ませるわけではないが、限られた時間のなかでどれだけ爆発的なパワーが出せるか」(入江監督)。奥村は後半20分から途中出場。試合の流れを変えるべく、ピッチに立った。 奥村はゴールへの意識をチームにもたらす。「負けていたので、もうゴールに向かっていく姿勢を見せて、どんどんチームが勢いづいていけばいいなと」。後半27分にはPAラインから鋭い右足ミドル。相手GKに触れられ、惜しくもゴールポストをかすめたが、得点の匂いを漂わせた。 後半アディショナルタイム1分過ぎにはダメ押しの3失点目を食らう。残り時間を考えても勝利が難しくなるなか、それでも奥村はゴールを見据えていた。そして試合終了間際の後半アディショナルタイム5分過ぎに一矢報いた。 GK田代琉我からロングフィードが飛ぶと、最前線の奥村がオフサイドラインギリギリのところで反応し、敵陣内に一直線で向かう。「フリーだったので、とりあえず速いシュートを打つことを意識した」。渾身の右足シュートをゴール左隅に突き刺し、1点を返した。 「自分でもタイミング的にどうかなと思っていた」。そう語る奥村は副審の様子をうかがいつつ自陣に戻った。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックを経て、得点は正式に認められた。 一矢報いるゴールではなく、反撃の狼煙だった。奥村は「追いつくため、逆転するための1点だと考えていた」と振り返る。アディショナルタイム8分間のうち5分が過ぎている状況でも「状況を考えずにとりあえず1点でも多く、追いつくために取ろうと」最後まであきらめずに走り続けた。 結果的に1-3で新体制初陣を落とした。だが、奥村は「次の試合に向けて、チームは全然悪い雰囲気ではない」と顔を上げる。「ここの試合勝たないと意味がなかったけど、この試合やっぱり勝利したかったというのはあるけど、次また試合が来る。ポジティブな声も出ているので、チームとして次の試合に向けていい準備をしたい」。意味のある1点にするために、ここから勝利を積み上げていくつもりだ。 (取材・文 石川祐介)新潟が #奥村仁 のゴールで一矢報いる ゴール動画 明治安田J1リーグ 第15節 川崎Fvs新潟 3-1⌚️ 90+5分
⚽️ 奥村 仁(新潟)#Jリーグ pic.twitter.com/B9Wjjwl1c2