米・メキシコ国境、フェンタニル押収量急減-逮捕者数も大きく減る
Thomas Seal
- 2月のフェンタニル押収量は約590ポンド、前月比40%減-CBP
- 米国とカナダの国境では、フェンタニルの押収量はわずか1.14ポンド
米国とメキシコの国境で押収された合成麻薬フェンタニルの量が1月以降大幅に減少していることが、米税関・国境警備局(CBP)の新たなデータで明らかになった。
2月のフェンタニル押収量は約590ポンド(約267.6キログラム)と、2021年12月以来の低水準。前月比では1月の990ポンドから40%減少した。
フェンタニルは、致死性が高い合成オピオイドの一種。この薬物は非常に強力で、致死量はわずか2ミリグラムとされている。
米国とメキシコは、国境警備を巡り対立が激化しているが、今回の大幅な減少はメキシコのシェインバウム大統領に有利に働く可能性がある。
トランプ米大統領は2月、フェンタニルが米国境を越えて流入することによる国家安全保障上のリスクを理由に、メキシコとカナダからの輸入品に対し25%の追加関税を賦課する措置に署名。今月に入り、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に準拠した製品については関税を一時的に延期すると表明した。
Quantity of fentanyl seized by US at southern border lowest in years
Source: US Customs and Border Protection
米国とカナダの国境では、2月のフェンタニル押収量はわずか1.14ポンドで、1月よりも多かったものの、過去12カ月の平均を下回った。
米国境警備隊の報告によると、2月に南西部国境で逮捕された人の数は約8300人と、1月から約71%減少。月間逮捕者数としてはここ数十年で最も少ない。
原題:Fentanyl Seized at US-Mexico Border Falls 40%, Lowest Since 2021(抜粋)
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