米国債が上昇、トレーダーが米利下げ観測強める-年内53bp緩和想定

Alice Atkins

  • トランプ米大統領の関税計画がリスク意欲を後退させている
  • 短期金融市場、年内に2回の0.25ポイント利下げ完全に織り込む

25日の取引で米国債は上昇。トレーダーが米連邦準備制度の利下げへの観測を強めた。トランプ米大統領の関税計画がリスク意欲を後退させている。

  10年物米国債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近く低下し、4.33%と約2カ月ぶり低水準となった。

  短期金融市場では、米当局が追加緩和に踏み切るとの見方が強まり、年内に2回の0.25ポイント利下げが完全に織り込まれた。

  トランプ政権の政策に対する不透明感が企業業績見通しを圧迫していることから、米経済が弱含み利下げが再開されるとの見方が強まっている。

  2年債の入札は25日に強い需要を集めた。21日に発表されたデータで、2月のサービス業活動が2年ぶりに縮小したことが示されたことに反応した。

関連記事:米企業活動、2月は拡大ペース鈍化-サービス業が2年ぶりに縮小

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの上級市場ストラテジスト、エリアス・ハダッド氏は「米経済に赤信号が点灯しつつある。米国の経済指標がさらに1、2カ月ほどかんばしくなければ、米国例外論に打撃を与えるだろう」と語った。

  現在、スワップ市場では、年末までに53bpの緩和が織り込まれており、24日の48bpから拡大した。ロンドン時間午前9時15分時点で、2年物米国債利回りは5bp低下の4.12%。

  先月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合でバランスシートの圧縮が議論されたことが議事要旨から明らかになったことを受け、ダラス連銀のローガン総裁のバランスシートに関する講演も注目されている。

関連記事:FOMCが量的引き締めの一時停止または減速を議論-米国債の強材料

原題:Treasuries Rally as Traders Boost Bets on Fed Interest-Rate Cuts(抜粋)

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