アングル:ナスダックが初の2万ポイント台 大手ハイテク株が主導
ナスダック総合指数は11日、前日比1.8%高の2万0034.89ポイントで終了した。
同指数の上昇は成長とテクノロジーに大きく賭けていた投資家に利益をもたらした一方、バリュエーションの上昇や、超大型株が同指数に占める比重が大きく高まっている状況を巡り、不安をかき立てている。
ニューエッジ・ウェルスのキャメロン・ドーソン最高投資責任者(CIO)は「これまでの勝ち組が勝利し続けるという年末特有の動きが明らかに見られる」と指摘。「問題は、この勢いが2025年も続くかどうかだ。来年は、膨らんだバリュエーション、ポジショニング、市場心理、成長見通しの全てが、平均を上回るリターンを維持する上で大きな障壁となる可能性がある」と述べた。
ナスダック総合指数は、新形コロナウイルスのパンデミックにより世界の経済活動が停止した2020年序盤に大きく値下がりしたが、その後はFRBが政策金利をゼロ近辺まで引き下げたことや、米政府が経済対策を相次いで打ち出したことを受け、急速に持ち直した。
2022年にはインフレ率が40年ぶりの高水準に上昇してFRBが一連の大幅利上げを余儀なくされる中、ナスダック総合指数は33%下落した。だが金利の上昇が幅広く予想されていた景気後退をもたらすことはなく、同指数はその後、約90%上昇した。AIのビジネス面の可能性を巡る関心が高まったことも、同指数を押し上げた。
AI業界の「絶対的標準」と考えられている半導体を生産するエヌビディアの株価は、2022年10月の安値から1100%余り上昇している。
F/mインベストメンツのアレックス・モーリスCIOは「AIを巡る筋書きは依然として真実と考えられており、投資家に訴えかけている」と述べた。
ナスダック総合指数のバリュエーションは高まったが、依然として20年余り前のドットコムバブル局面に到達した水準を大きく下回っている。
LSEGデータストリームによると、同指数の株価収益率(PER)は現在、約36倍と3年ぶりの高水準にあり、長期平均の27倍を大きく上回っている。だが2000年3月に到達した約70倍と比べると、依然として大幅に低く、投資家にある種の安心感を与えている。
データトレック・リサーチの共同創設者ジェシカ・レイブ氏は11日、顧客向け資料に「ナスダック総合指数の直近の上昇は、1990年代終盤から2000年代序盤にかけての相場動向と比べると、特筆すべき動きではなく、より緩やかに上昇しており、結果として持続不可能には見えない」と記した。
Pie charts showing how since June 2020, when the Nasdaq Composite first closed above the 10,000 level, it has become more concentrated. The top 10 companies now make up 59% of the index, compared to 45% in 2020.過去10年間の上昇率は、ナスダック総合指数が320%強、S&P総合500種は200%、ダウ工業株30種は150%。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab