対策虚しく発火再燃で赤旗2回―角田裕毅は有望9番手、マクラーレン最速 / F1日本GP 2025《FP3》結果と詳報
2025年F1第3戦日本GPの最終FP3は、芝の発火で2度にわたって赤旗が振られる中、ランド・ノリス(マクラーレン)が1分27秒965で最速を記録。僅差でチームメイトのオスカー・ピアストリが続き、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が3番手につけた。角田裕毅(レッドブル)は僚友マックス・フェルスタッペンから0.288秒遅れの9番手と、再び有望な走りを披露した。
芝の発火、再び──FIAの対策実らず
鈴鹿サーキットは初日に続いて“芝の発火”という異例のトラブルに見舞われた。開始から7分でコース脇の芝生が燃え、赤旗が振られたほか、残り5分のタイミングでも同様の現象が発生。2回目の赤旗が振られ、セッションはそのまま終了した。
FIAは前夜、芝を刈り取り、水を撒くなどの応急措置を講じたが、効果は限定的だった。発火箇所はスプーンカーブ、NIPPOコーナー、130Rと一貫性がなく、マシンのフロアと路面との接触によるスパークが乾燥した芝に引火した可能性が指摘されている。
日曜日に降雨が予想されていることが唯一の救いだが、土曜午後の予選はドライコンディションで行われる見通しであり、FIAは「予選に向けて、利用可能な時間とリソースをすべて芝の湿潤化に集中させる」としている。
なお、2回目の赤旗に関して言えば、ガブリエル・ボルトレートのザウバーが芝生に乗ったことが原因と見られる。
初日の走行で、伝説的な鈴鹿サーキットにすっかり魅了された新人ボルトレートは、130Rへの進入で芝にタイヤを落として突如スナップ。間一髪で大クラッシュは回避したものの、これにより発火を引き起こした可能性がある。
A scary moment for Gabriel Bortoleto into 130R, but he saves the car 😱
The red flag is deployed soon after due to a grass fire in the same part of the circuit#F1 #JapaneseGP pic.twitter.com/5JOrEsZI2D
— Formula 1 (@F1) April 5, 2025
赤旗の影響を最も大きく受けているのは、アルピーヌのジャック・ドゥーハンだ。金曜のFP1ではリザーブドライバーの平川亮にマシンを譲り、FP2ではわずか4周でクラッシュ。こうした状況で迎えたFP3も、赤旗の影響で走行時間が削られた。
レッドブルでの初戦に臨む角田は、新品ソフトタイヤによる1回目の計測ラップで、フェルスタッペンに0.100秒遅れのタイムを記録。各ミニセクター間でムラが見られ、まとめ切ることはできなかったが、それでも上位に食い込んだ。ただ、赤旗の影響で2回目の計測機会を失い、最終的にはチームメイトから0.288秒遅れの9番手でセッションを終えた。
金曜のFP2で鮮烈な3番手タイムを刻んだレーシング・ブルズのルーキー、アイザック・ハジャーは、セッション序盤に「コックピットに問題がある。かなり酷い」と無線で不満を訴える場面があったが、前戦までのチームメイト、角田に対して0.001秒差に迫る10番手を記録した。僚友リアム・ローソンは、ハジャーから0.318秒遅れの12番手でセッションを終えた。
全3ラウンド、計1時間が予定されるF1日本GPの公式予選は、日本時間4月4日(土)15時から鈴鹿サーキットにて行われる。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。