【開幕】北斎の冨嶽三十六景に没入!「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」東急プラザ(東京・渋谷)で6月1日まで

会場のエントランス

東京・渋谷駅前の東急プラザ渋谷で、葛飾北斎の作品をデジタルなイマーシブコンテンツとして体験できる「HOKUSAI ANOTHER STORY in TOKYO』が2月1日(土)に開幕します。1月30日に行われたメディア内覧会では、最先端技術で北斎作品の中に入り込む体験を味わえました。日本の宝「HOKUSAI」を新しい形で世界に売り込もうという意気込みが強くにじみでています。

HOKUSAI ANOTHER STORY in TOKYO 会場:東急プラザ渋谷3階(東京都渋谷区道玄坂1丁目2-3) 会期:2025年2月1日(土)~6月1日(日) チケット料金 一般3,500円/高校生・専門生・大学生2,200円/小学生・中学生1,500円/未就学児以下無料 ※当日窓口販売はありません(各プレイガイドでチケット販売) 展覧会公式サイト:https://hokusai.anotherstory.world/

先端技術で再構築する葛飾北斎が見た江戸の世界

取り上げているのは北斎の「冨嶽三十六景」でも著名な作品ばかりです。会場に足を踏み入れると、「北斎とは何者か」から丁寧に紹介していて、しかも日本語と英語で並列に同じ分量で解説していることからも、渋谷を訪れるインバウンド客に来てもらおうという意欲を感じました。ここでは「三十六景」は後から版元の依頼で10作追加して、実は四十六景あることを教わりました。

北斎の年表。あわせて北斎とは「アーティスト」で「マルチクリエイター」で「インフルエンサー」で「イノベーター」だと説明していました。

「光の部屋」は江戸庶民と同じ明るさで

展示は、竹あかりで作品を見る「光の部屋」に進みます。江戸時代の庶民がロウソクの灯りで眺めていたことを偲ぶ趣向です。

「光の部屋」の展示風景。竹あかりはゆらめくように明るさを変えます。そのたびに見え方が変わります

北斎画に没入する「大地の部屋」

続いて、「大地の部屋」です。ここは北斎の絵の展開に合わせて、足元の床が水たまりや砂浜、雪上などと姿を変えて行く、まさにイマーシブな世界です。ソニーの触覚提示技術(ハプティクス)のなせる技で、一歩踏み出すとそこから波紋が広がったり、亀裂が走ったり、ただただ刮目させられました。さすがに写真では表現できないので、ご自身で体験してください。

北斎が描いた「風」を感じる

次に「風の部屋」がありました。ここは、「三十六景」でも、煙や凧、帆船、疾走する馬など、風を感じる絵を次々に壁面に映し出して、展開と同調した風が吹きつけてきます。いずれは潮や馬糞の香りも付くのでしょうか。

《江都駿河町三井見世略図》 《隅田川関屋の里》

ダイナミックな「北斎の部屋」

「北斎の部屋」はさらにダイナミックでした。「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」「山下白雨」という「三十六景」の代表作から、北斎の視点が次々と展開していって、足元からも振動が届いてくる体験は、一度では満足できないかもしれません。いまの富士山の画像が北斎の絵に切り替わったり、深川の万年橋が昼になったり夜になったり。繰り返し見たくなるコーナーでした。

《山下白雨》 《深川万年橋下》 《深川万年橋下》が夜になった デジタル北斎を堪能した後に、山梨県立博物館の協力で版画の実物もルーペを使って鑑賞できる

オリジナルグッズも豊富

ハワイアンシャツ 38,500円 トートバッグ(奥) 5,500円、ブランケット(左下)4,400円、 扇子 3,300円

グッズ売り場には、日本人のみならず、インバウンド客が喜びそうなグッズがあふれていました。(読売新聞美術展ナビ編集班・丸山謙一)

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