NY市場サマリー(10日)ドル上昇、利回りまちまち 株反発
<為替> ドルが上昇した。トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムの全輸入に25%の関税を課すと表明したことを受けた。
新たな関税の影響を巡る懸念から、カナダドル、ユーロ、ポンドはいずれも下落した。
日本も関税に直面する可能性があるとの懸念から円も下落。
カナダドルは対米ドルで0.11%下落し1ドル=1.4307カナダドル。一時、1.4379カナダドルまで下げた。
ドル/円は0.38%高の151.97円。
ドル指数は0.21%高の108.31だった。
ユーロは0.2%安の1.0306ドル。米国はEUにとって鉄鋼輸出市場として第2位にある。
英ポンドは0.36%安の1.2364ドルとなった。米国は英国にとってEUに次ぐ第2位の鉄鋼輸出市場。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.42%上昇して9万7378.84ドルとなった。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りがまちまちで推移した。投資家が今週の一連のイベントや経済指標を注視する中、長期国債利回りは小幅上昇したが、全般的に金利の方向性は不透明だった。
債券市場は、今週財務省が実施する1250億ドルの新規国債供給に備えている。
しかし多くの市場参加者の間では、トランプ大統領の発言が何を意味していたのかほとんど不明だと受け止められ、市場の注目は引き続き経済と米連邦準備理事会(FRB)の今後の政策にどうするかに向けられた。
午後の取引では、指標10年国債利回りは1.2ベーシスポイント(bp)上昇し4.499%、30年国債利回りも2.3bp上昇し4.714%となった。
一方、FRBの政策動向に連動することが多い2年債利回りは4.273%で横ばいだった。
LSEGの推計によると、米金利先物は今年約39bp緩和を織り込んでいる。2度目の0.25%ポイントの利下げの可能性は約54%となっている。
利回り曲線はわずかにスティープ化。2年債と10年債の利回り格差は22.5bpだった。7日は20.2bpだった。
米金融・債券市場:
<株式> 反発して取引を終えた。半導体大手エヌビディアやAI(人工知能)関連株が上昇した。また、トランプ大統領による鉄鋼・アルミニウムに対する関税計画に反応し、鉄鋼株が急伸した。
米取引所の合算出来高は161億株。直近20営業日の平均は149億株。
米国株式市場:
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、トランプ米大統領が掲げる高関税政策への警戒感から買われ、続伸した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は、前週末比46.80ドル(1.62%)高の1オ ンス=2934.40ドル。3営業日ぶりに史上最高値を更新した。
NY貴金属:
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先 物相場は、トランプ米大統領が打ち出す関税政策に警戒感が高まったものの、需給引き締まり感や値頃感から買いが優勢となり、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物は前週末清算値(終値に相当)比1.32ドル(1.86%)高の1バレル=72.3 2ドルだった。4月物は1.27ドル高の72.01ドル。
NYMEXエネルギー:
LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
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