EU外相、イランとイスラエル対立への米軍関与は危険と警告
Max Ramsay、Andrea Palasciano
- トランプ氏はイランの核問題の「真の終結」目指す構え
- カラス氏、中東全体へのリスク波及を懸念-「外交が最善手段」
イランとイスラエルの間で激化する攻撃を巡り、欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表は17日、米軍の関与は中東全域への波及リスクを伴うと警告した。
カラス氏は、オンラインのEU外相理事会後、記者団に対し「イランに核兵器を保有させてはならないという点は誰の目にも明らかだ」と述べた上で、「それを防ぐためには、武力ではなく外交が最善の手段だ」と呼びかけた。
カラス氏は「米国が関与するとなれば、間違いなく中東地域全体をより大きな紛争に引きずり込むことになる。それは誰にとっても望ましくない」と強調した。
トランプ米大統領は、イスラエルとイランの紛争対応のため、カナダで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)を途中退席した。また、停戦の可能性を重要視せず、「真の終結」を目指すと述べた。同氏は17日、大統領専用機エアフォース・ワン内で記者団に発言の真意を問われ、イランの核問題の恒久的な解決が目標と答えた。
カラス氏は、米国のルビオ米国務長官と電話会談を行ったと明かし、「ルビオ氏も、この紛争に巻き込まれることは米国の利益にならないと強調した」と語った。EUはイラン、イスラエルとも連絡を取り合い、緊張の緩和に努めている。
カラス氏は「この地域の安定は、すべての関係者の利益にかなう」と強調した。
原題:EU Top Envoy Warns of Larger Conflict If US Involved in Iran (1)(抜粋)
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