早大主将を務めた佐藤健次がリーグワンデビュー!「練習に合流してから新しい気づきばかり」
国内 2025.02.09
[ 編集部 ]
2月9日のリーグワン第7節交流戦、埼玉パナソニックワイルドナイツが熊谷ラグビー場で東芝ブレイブルーパスを迎えて行われた一戦は28―28のドローとなった。 この試合で、埼玉ワイルドナイツの加入した佐藤健次が、アーリーエントリー選手として登録され、試合終盤にリーグワンデビューを果たした。
先発出場した坂手敦史と交替したのは後半40分。35分にワイルドナイツのWTB竹山晃輔のトライで同点となったあと、PKからのラインアウトでのスローインが最初のプレーだった。40分を告げるホーンが鳴るなか投げ入れたボールは、タップされワイルドナイツ側へ。そこから試合終了となるまでの2分29秒間、初めてリーグワンのグラウンドでプレーした。
ロビー・ディーンズHCは、終了間際の攻防が続いていたタイミングでの交替について「あのタイミングになったのは、まずグラウンドに出てファーストキャップをとるというところが重要で、そこからキャリアが始まると考えたから」と説明した。
試合後のメディア取材に応じた佐藤健次の声を一問一答形式で紹介する。
ーー今日、出場できたことについて。うれしいかったのですが、それよりも緊張が勝っていました。次はもっと時間があったら、もっともっと自分のプレーを出していけるようにしたいと思います。
あの緊張感がある試合に出場できたことは良い経験だったと思うので、もっともっと頑張っていきたいです。チームがしんどいときでも出してもらえるような信頼を置かれる選手になりたいと思います。
――交替するときに坂手さんが(佐藤の)肩を揉みながら声をかけていました。どんなことを言われたのですか?「こんな場面、誰でも緊張するから思い切りやれ」って言われて。本当にめちゃくちゃ緊張しました。
――リーチ マイケル選手にも声をかけられていました。 東芝のほかの選手の方も、日本代表にいた選手が多いので、たくさんの方に「おめでとう」と声をかけられて、いろいろな話をしました。
――今日のメンバーに入ってから、誰かに相談をしましたか? 特に誰かにということはないのですが、チームのいろいろな人が声をかけてくれて、優しい選手の方ばっかりだったので、助けられたと思います。
――アーリーエントリーでこんなに早いタイミングでチャンスが来るというのはイメージできていましたか。「すぐに出たいです」と言っていましたけど、実際に本当にこうなると思っていなかったので、ちょっとびっくりしたところもあります。でもいい準備ができていたのかなと思うので、それは良かったかなと。まずはワイルドナイツに欠かせない、信頼のおける選手になるというのが目標です。
――サインを覚えたり、オプションマップを覚えたりするのは、この2週間(1月27日に練習に合流)大変でしたか。 合流して1週間、福井翔太さんと長田智希さんが映像を見ながらずっと一緒に教えてくれて、本当に一からいろいろと全部教わりました。それですぐに覚えられたので、とても感謝しています。
――ワイルドナイツというチームでやってみて、面白さとか難しさは感じましたか? いろんなところで成長できる環境がそろっていて、合流してまだ2週間しか経ってないですけど、いろいろとすごく成長していると自分でも感じるので、いいチームでやれているなと思います。
――(大学選手権が終わったあとに)あまり休まなかったのは理由があるのですか? 負けたのに休めないなと思って。選手権に負けて休んでいる暇はない、もっともっと頑張らなきゃいけい、もっともっとやらなきゃいけないことがあると思ったので、早めに合流しました。 僕は休んだら腐っちゃう。だからもともと、あまり休まずに合流しようと思っていたのですが、負けたことで、より次のステップへの意識が固まった。それであらためてチームに連絡して、合流をしました。
選手権に負けたあとはショックでぼーっとしていて、3日間くらいはラグビーを忘れて、それでリフレッシュはできました。
――ワイルドナイツは印象としてはどんなチームですか? 入る前まではちょっと冷たいのかなと思っていたんですけど、すごく皆さん、あたたかくて優しくて、いいチームでした。
――ワイルドナイツを選んだ理由はどんなところですか? 自分が一番成長できると思うので決めました。自分のやりたいことをできるだろうと思ったのもワイルドナイツでしたし、坂手敦史さんがいて、堀江翔太さんがコーチで残っていて、日本の素晴らしいフッカーの2人から学べることというのは、僕の中ではとても大きいです。
特に坂手さんからは(練習で)毎回、スローインのところで教えていただいたり、先週も試合があったにもかかわらず、いろいろと教えてもらって、それが、自分がどんどん成長できている要因だと思います。
――堀江翔太さんにも教えてもらっている? 堀江さんも、毎回絶対にアドバイスをくれます。いま新しい気づきもすごく多いので、2人がいるチームにして本当に良かったなと思っています。堀江さんは(コーチとして練習に参加するのは)週2から3回ですが、日本代表でも一緒だったことがあるけれど、ここまで一緒に過ごしているのは初めてです。
――堀江さんから教わっていることで一番印象に残っていることは?「ラインアウトのスローは8割がメンタルだから」と言われて、それはそうなんだ、確かにな、と思いました。
――新しい気づき、具体的にはどんなことがありましたか? まずはラインアウトのスローイングのフォームを坂手さんに言われてちょっと変えました。それ以外にもいろいろと変わったので。もう本当に全部変わっています。
――堀江さんのロッカー番号だった47番を継いだ理由は? 気づいたらこの番号になっていました。自分で申告をしたわけではなく、(クラブハウスで)自分のロッカー番号を探したら47番でした。
堀江さんが背負っていた偉大な番号を継いたということにプレッシャーはありますけど、あまり深く考えず、本当に僕らしくワイルドナイツに貢献できればいいなと思うので、頑張っていきたいです。
――ワイルドナイツの青いジャージーを着た感想を教えてください。 桐蔭(学園高校)のときに青かったのですが、外から見た感じがどうなのかよく分からない。たぶん似合っていないだろうなと思います。
――リザーブで出場することについてはどんな思いを持っていますか? まだ数試合(の出場、練習試合を含めて)であまり分からないので、これからしっかりといろいろ堀江さんに聞いたりして、スタートでもリザーブでも結果を残す選手になりたいと思っています。
――このあともずっとチームに帯同するのですか。 はい。でも卒業式は行けたらいいなと思っています。今日ちょうど追い出し会(早大ラグビー部の4年生を送別する部内試合)があったので、メンバーにならなかったら行きたいなと思っていました。早稲田の子たちに会えていないので、どこかで会いたいなと思っています。
――1年目の目標を教えてください。 選手として常に成長し続けることを目標にしています。やっぱり1年目だからといって言い訳するわけにはいかないですし、チームの優勝のために努力し続けたいと思います。
――2027年にはワールドカップもありますが日本代表への意識は? 日本代表というよりも、まずはワイルドナイツにしっかり集中して、優勝するために欠かせない選手になっていかなきゃいけないと思っています。その結果、日本代表で出場できればいいなと思っています。
――プロ選手になった自覚はありますか? まだ大学生という感じなのですが、やはり自由なのでどこまで自分を律せられるかです。大学生のときはいろいろと決められていたものがあったけれど、自由な時間が増えて、自分で考えてやらなきゃいけない。プロだかといって調子に乗らず、しっかり地に足をつけて頑張ります。