米国株式市場=続伸、S&P・ダウ1カ月ぶり高値 新政権の貿易政策に注目

米国株式市場は、主要3指数が続伸して取引を終えた。2019年9月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

[21日 ロイター] - 米国株式市場は、主要3指数が続伸して取引を終えた。S&P総合500種(.SPX), opens new tabとダウ工業株30種(.DJI), opens new tabは約1カ月ぶりの高値を付けた。トランプ新大統領が2期目の就任初日に一律関税措置を講じなかったことから安心感が広がった。
20日に就任したトランプ氏は、以前に公約した一律関税や貿易相手国への追加関税について具体的な計画を示さなかった。ただ、早ければ2月1日にもカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課すことを検討していると述べた。 もっと見る

投資家は関税や世界的な貿易戦争がインフレを押し上げる可能性を依然として懸念しているが、ゴールドマン・サックスは年内に世界的な関税が導入される確率は25%だとし、昨年12月予想の約40%から引き下げた。

BMOプライベート・ウェルスのチーフマーケットストラテジスト、キャロル・シュライフ氏は「昨日行われた第一弾の行政措置で関税の導入が見送られたことに安堵と驚きの声が上がっている」と指摘。

投資家は新政権が関税の脅威を交渉戦術として利用し、「関税にハンマーではなくメスを入れる」ことを期待していると語った。

この日は小型株で構成するラッセル2000指数(.RUT), opens new tabが1.85%上昇し、大型株をアウトパフォーム。市場全般に買いが広がった。
S&P主要11セクターでは、0.64%安となったエネルギー(.SPNY), opens new tabを除いて全てが上昇。6セクターで上昇率が少なくとも1%となった。
工業(.SPLRCI), opens new tabが2.03%高と最大の上げだった。第4・四半期の好決算を受け4.2%上昇した複合企業スリーエム(3M)(MMM.N), opens new tabなどが指数を押し上げた。
アップル(AAPL.O), opens new tabは3.2%下落し、S&P500を圧迫した。ジェフリーズが投資判断を「アンダーパフォーム」に引き下げた。
大規模なサプライチェーン(供給網)を持つことから関税の影響を受けやすい自動車メーカーの株価は上昇。フォード・モーター(F.N), opens new tabは2.5%高。ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N), opens new tabは5.7%高。ドイツ銀行はGMの投資判断を引き上げた。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を4.54対1の比率で上回った。ナスダックでも2.25対1で値上がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は154億2000万株。直近20営業日の平均は154億7000万株。

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります ※米国株式市場

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