エヌビディア株の一段安観測高まる、オプション市場でプット取引急増
- 27日午後に権利行使価格115ドルのプット30万枚超が購入される
- 来週のトランプ氏議会演説と米雇用統計を見据えたものーアナリスト
人工知能(AI)支出ブームの中心的存在である半導体メーカー大手、米エヌビディアの成長見通しに対する懸念を背景に、同社の株価は27日に3週間ぶりの安値に沈んだ。さらにオプション市場では一段安に賭ける動きが出ている。
27日のオプション市場では米東部時間午後2時からの40分間で、3月7日を満期日とする権利行使価格115ドルのエヌビディア株のプット(売る権利)が30万枚余り購入された。権利行使価格は26日終値を約12%下回っており、同価格を付ければ昨年9月半ば以来の安値となる。
この取引は27日の米国オプション市場で最も活発なものとなった。
エヌビディアが26日に発表した四半期決算は底堅いものの、傑出した内容ではなかった。これが投資家の失望を誘い、株価はここ1カ月で最大の下げを記録。オプション市場での弱気な取引も27日の株安を助長した可能性がある。
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サスケハナ・インターナショナル・グループのデリバティブ戦略共同責任者クリス・マーフィー氏によると、午後にオプション市場でのプット買いが始まってから株価は約3%下落。オプションのインプライドボラティリティー(IV、予想変動率)は8ポイント上昇した。
同氏はプット買いについて、来週予定されているトランプ米大統領の議会演説と米雇用統計を見据えたものだとの見方を示した。
ブルームバーグが集計したデータによると、今回の弱気の取引により、エヌビディアのプットオプションの売買高は過去20日間の平均の2倍超となった。
さらに取引終了前30分間にも売買が膨らみ、新たに10万枚の取引が行われた。マーフィー氏によると、この日の早い段階でプットを購入した投資家による利益確定売りを示唆しているという。
原題:Nvidia Decline to a Five-Month Low Is Day’s Biggest Options Bet(抜粋)