ウクライナ安全保証、26カ国が部隊派遣確約 米国の支援は近く最終決定
[パリ/ワシントン/キーウ 4日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領と欧州首脳らは4日、パリでウクライナ支援の有志国連合の会合を開いた。フランスのマクロン大統領によると、ロシアとの和平合意が成立した場合、ウクライナに対する「安全の保証」の一環として26カ国がウクライナに部隊を派遣する用意があると表明した。
会合には欧州を中心に35カ国が参加。会合後にトランプ米大統領と電話協議を行った。マクロン氏によると、米国はウクライナに対する安全の保証への支援を近日中に最終決定する。
マクロン氏は会合後にパリのエリゼ宮で行ったゼレンスキー氏との共同記者会見で「ウクライナに対する安全の保証の一形態として、26カ国がウクライナへの部隊派遣を確約した。部隊は陸・海・空のいずれでも展開する」とし、安全の保証はウクライナ軍の再建と強化が中心になると述べた。
ウクライナに対する安全の保証は、停戦後にロシアがウクライナを再度侵攻することを防ぐためのもので、こうした保証に実効性を持たせるために欧州は米国の後ろ盾をトランプ大統領に求めている。マクロン氏は「戦闘が止むその日に、(ウクライナに対する)安全の保証が発動される」と述べた。
マクロン氏はどの国が部隊派遣を確約したかは明らかにしていないが、有志連合の共同議長国を務める英仏はこれまでも停戦後にウクライナに部隊を派遣することに前向きな姿勢を示している。マクロン氏は当初26カ国がウクライナに部隊展開すると述べたが、その後、一部の国の貢献はウクライナ国外にとどまり、ウクライナ軍の訓練や装備供与を通して安全の保証を提供するとの見方を示した。
ドイツなども取り組みに関与する意向を示したが、ドイツは米国の関与の度合いなどの各種条件が明確になった段階で軍事的に関与するか判断すると表明。イタリアのメローニ首相は、停戦監視や国外でのウクライナ軍の訓練に前向きな姿勢を示したものの、ウクライナへの部隊派遣は行わない方針を明確にした。
米ホワイトハウスによると、トランプ大統領はウクライナ支援有志国首脳との電話協議で、ロシアの戦争資金源を断つために欧州にロシア産原油の輸入停止を要求。中国がロシアの戦争遂行能力を資金面で支えているとして、中国に対し経済的圧力をかける必要性も強調した。
マクロン大統領は、有志連合と米国はロシアに対する将来的な制裁措置を巡り一段と緊密に協力することで一致したと言及。ロシアの石油・ガス部門のほか、中国に対する措置を念頭に置いていると語った。
ゼレンスキー大統領は共同記者会見で、安全の保証についてウクライナと同盟国との間で「基本的な枠組み」が共有されたと言及。部隊派遣の用意があると表明した国について、各国ごとの関与内容を明確化する文書の作成を進めていると明らかにした。陸・海・空のそれぞれの想定される部隊規模については、現時点で公表する用意はないと述べた。
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