【焦点】FOMC選好の米インフレ指標、3月の決定を正当化する公算
Craig Stirling
- コアPCE価格指数の上昇率は前年同月比で2.7%に加速する見込み
- 個人消費は勢いを欠くスタートの後、安定した様子が示されそうだ。
米国の価格圧力を高止まりさせかねない関税をトランプ政権が推進する状況で、米連邦準備制度の当局者にとって、インフレ率は不安な水準にとどまっている。
米商務省が28日発表する2月の個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の激しい食料品とエネルギーを除くコア指数の上昇率が1月に続き、0.3%になると予想される。前年同月比では1月の2.6%から2.7%に加速する見込みだ。
コアPCE価格指数は基調的なインフレ動向を反映する指標として連邦準備制度が選好していることで知られる。
2月のPCE統計では、2025年の個人消費が勢いを欠くスタートを切った後、安定した様子が示されそうだ。1月に過去1年で最も高い伸びを示した個人所得は、前月比0.4%増と鈍化する見通しだ。一方、インフレ調整後の実質PCEは、前月比で約4年ぶりの大幅な減少となった後、2月は増加が見込まれる。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のチーフ米国エコノミスト、アナ・ウォン氏らは「コアPCE価格指数は2月に0.35%上昇した可能性が高い。物価目標2%の倍のペースだ。物品とヘルスケア、金融サービスの価格上昇は、他のセクターの下落を相殺して余りある。根強いインフレと堅調な個人消費を考えると、連邦公開市場委員会(FOMC)が3月の会合で政策金利を据え置き、インフレ予測を引き上げたことは恐らく妥当と思われるだろう」と分析した。
原題:Sticky US Inflation, Tariffs Are Keeping Fed Sidelined: Eco Week(抜粋)
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