ドイツの大型防衛支出はバイ・ヨーロピアン、欧州企業に恩恵-関係者

Michael Nienaber

  • ドイツ国防省、ティッセンクルップ・マリンと軍艦購入で交渉へ
  • 戦闘機「ユーロファイター」20機も最優先の購入対象-関係者

巨額に上るドイツの防衛支出では、同国のティッセンクルップや英BAEシステムズ、中小のドローン製造業者など欧州の兵器メーカーが最も恩恵を受ける。事情に詳しい関係者が明らかにした。トランプ米大統領の言動で、欧州に対する米国の協力には疑問が生じている。

  購買計画は非公表だとして匿名を条件に語った関係者によると、ドイツ政府が最優先で購入を計画しているのは、ティッセンクルップ・マリン・システムズ製の次世代フリゲート艦「F127」6隻、BAEとそのパートナー企業が製造する戦闘機「ユーロファイター」20機の追加だという。「F127」6隻の価格は150億ユーロ(約2兆4500億円)、「ユーロファイター」20機は約30億ユーロ。

  18日の取引では欧州の防衛関連株が買われ、ティッセンクルップは一時7%、BAEは同1.3%、ユーロファイター製造を支援するエアバスは同0.6%、ラインメタルは4.5%、それぞれ上昇した。

  今回は欧州製兵器の購入に力点が置かれ、2022年にドイツが前回まとめた1000億ユーロの防衛支出とは様相が異なる。当時は「バイ・アメリカン」が強く打ち出され、米防衛大手ロッキード・マーチンなどが開発した戦闘機「F35」を35機、ボーイングが製造する輸送ヘリコプター「チヌーク」60機、地対空ミサイルシステム「パトリオット」などを発注した。

  関係者によると、ドイツ国防省はティッセンクルップ・マリンと次世代フリゲート艦の交渉を始める意向。取引は今年下期に議員らの承認を得る公算が大きいという。

  国防省報道官はコメントを控えた。

BAEシステムズ、エアバス、レオナルドが共同開発した戦闘機「ユーロファイター」

原題:Germany’s Defense Splurge Said to Favor European Companies (1)(抜粋)

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