「ChatGPT」後のAI技術は10年以内に消える可能性-アリババ幹部

Annabelle Droulers、Lauren Faith Lau

  • ChatGPTはAIで何ができるかについて「偏見」生み出した
  • 開発者はAIの応用分野について創造的に考える必要がある

オープンAIのチャットボット「ChatGPT」は人工知能(AI)の開発と投資に革命を起こした。しかし、アリババグループのクラウドおよびAI部門の創設者王堅氏によると、ChatGPT以降に生まれた技術とサービスの9割は、10年以内に消滅する可能性がある。

  問題は、AIを主流に導いたことで称賛されているオープンAIが、AIで何ができるかについて「偏見」やゆがんだ理解を生み出してしまったことだと、王氏がブルームバーグテレビジョンに語った。

  「チャットボットは人々の想像力をかき立てるきっかけとなったが、AIの応用分野は多岐にわたり、範囲ははるかに広い。開発者はAI発展の次の段階を推進するために、雑音を排除し、応用分野について創造的に考える必要がある」と王氏は述べた。同氏は2009年にアリババのクラウドおよびAI部門立ち上げを主導した。

  「恐らく、人々が話題にしているAIの9割は5年か10年で消え去るだろう。なぜなら、それはこの技術の本質ではないからだ」と王氏は語った。「しかし、それは悪いことではない。むしろ、探求に役立つ」と続けた。

  米国と中国の企業は、経済を急成長させ長期的には地政学的な力関係を一変させる可能性のあるAI技術の開発に巨額の投資をしている。 トランプ米大統領は、ChatGPT後の時代における米国のリーダーシップの維持につながる大統領令に署名した。

  王氏は、この広範な対立には触れず、オープンAIやメタプラットフォームズなど米企業による人材囲い込みの取り組みに言及。

  「シリコンバレーで起こったことは、勝利の方程式ではない。本当に重要なのはイノベーションであり、イノベーションの初期段階においては、人材は問題ではないと思う。必要なのは、適切な人材を獲得することであって報酬の高い人材を囲い込むことはないのだから」と述べた。

  中国について同氏は、世界最大の技術研究拠点の一つであり、今後もイノベーションの温床であり続けると確信している。「新しい技術を試す温床だ。人々はテクノロジーに魅了されており、色々なことに挑戦している」と語った。

原題:Alibaba Cloud Visionary Expects Big Shakeup After OpenAI Hype(抜粋)

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