iPhoneからNothingに乗り換えて約2年。やっぱりPhone (3a)がいい理由
iPhoneからNothing(ナッシング)のスマホに乗り換えて、早いもので約2年。
デスクでは相変わらずMacを使っていますが、ポケットの中はAndroidスマホです。そんな「AppleとNothingの二刀流」に慣れたころ、事件は起きました。
「バキッ」
アスファルトに落下した愛機Phone (2a)の画面には、無慈悲な蜘蛛の巣が…。修理か、買い替えか。一瞬だけ「iPhoneに戻る」ことも考えたけれど、私は結局Phone (3a)を選びました。
なぜ、最新のiPhoneではなく、またNothingのスマホだったのか。そこには、価格だけではない、ガジェットとしてのほかにない魅力があったんです。
「最高峰」はすばらしい。でも「最適解」じゃない
まず、避けて通れないのが「価格」の話です。スマホが壊れてすぐに最新iPhoneの価格を調べ、そっとブラウザを閉じました。円安も物価高も続く2026年、スタンダードなiPhone 17でさえ約13万円から、上位のProモデルともなれば17万円台に突入していたからです。
もちろん、価格に見合うだけの価値があることは分かります。特にProモデルが搭載するモンスター級のチップや、映画が撮れるレベルのカメラ性能。モバイルで映像制作をするクリエイターや、最高設定でゲームを楽しむ人にとって、むしろ合理的な投資でしょう。
Photo: 山科拓郎ただ、私の環境だと話が変わります。仕事の母艦はM4 Mac miniだし、外出時に使うのはMacBook Pro。気合いを入れる撮影は一眼レフカメラに任せるし、重たい処理やクリエイティブは、もうスマホ以外の機材が担当しています。
そうなるとスマホですることは、連絡やSNSのチェックにブラウジング、たまに動画を観れたらというぐらい。求めているのは、日常使用に困らない性能だと気づいたんです。だからこそ、iPhone 17の半額以下、4万円台から手に入るPhone (3a)が、私にとっては最適解だと感じました。
「Nothing」でないと得られないもの
「安くて性能が良いスマホなら何でもいいの?」と聞かれたら、答えはNOです。欲しかったのは、使うたびに気分が上がり、愛着が持てる1台でした。
Photo: 山科拓郎Nothingは、その一点に振り切っている印象です。スケルトンの背面からのぞく、緻密にレイアウトされたパーツ群と整然と並んだネジ。「内部の美学を再構築する」と言わんばかりのその佇まいは、均質化していく現代のスマホデザインに対する、パンクなアンチテーゼにも見えます。
ただ安いだけ、便利なだけでは満たされない。「所有する喜び」を味わえるガジェットであること。この条件を満たしてくれるのは、私にとってiPhone以外ではNothingのスマホだけでした。
「伏せて置く」が、こんなにワクワクするなんて
Phone (3a)の背面を彩る、Nothingの代名詞「Glyph Interface」。最初は正直、ただの“光るギミック”だと思っていました。でも、実際に使い始めるとこれが意外なほど、ゆるやかに生活を変えてくれます。
Photo: 山科拓郎たとえば、カップ麺にお湯を入れたときに使うタイマー機能。スマホを伏せておけば、背面の光のバーが砂時計みたいにじわじわ減っていく。
そして、音楽を聴いているときにボリュームを変えれば、光のレベルメーターが上下に振れます。
数字を見るより、光の変化で“わかる”。このアナログな挙動がたまりません。「スマホは画面を見るもの」という常識を裏返して、「伏せて、光で確認する」という作法が、私には心地良かったんです。
必要な情報だけを抽出。「Essential」なOS体験
ハードウェアに限らず、中身の「Nothing OS」にも、独特の思想があります。特に気に入っているのが、重要な通知の扱いです。
Screenshot: 山科拓郎家族や仕事仲間からの連絡や、必要なアプリだけを「Essential 通知」に登録しておくと、それらの通知が来たとき、未読(または未処理)のあいだ「Glyph Interface」がときどき点滅します。「光っていなければ、すぐに見なくていい」というルールができるだけで、通知に引っ張られる感覚がぐっと減りました。
Photo: 山科拓郎歩数計や日付、再生中の音楽アートワークのウィジェットを表示しています。さらに、ウィジェットエリアも優秀です。天気、予定、クイック設定などをドット絵のウィジェットで並べておけば、ホーム画面だけで用事が済みます。
スマホに使わされるんじゃなく、意志を持って使える。Nothingはそんな感覚を取り戻させてくれたように思います。
最大の懸念「AirDropない問題」へのアンサー
一方、Macユーザーの自分にとって、最大の懸念は「AirDropが使えないこと」でした。
ガジェット好きの読者ならご存じの通り、2025年末からGoogleのQuick ShareがAppleのAirDropと互換性を持ちました。現在、最新のPixelシリーズなどであれば、iPhoneだけでなくMacとも直接ファイルの送受信が可能です。
しかし、現時点でNothingのスマホはこのAirDrop互換機能に未対応。いずれ対応する可能性はありそうですが、今を生きるMacユーザーとしては代替手段が必要です。
Photo: 山科拓郎でも約2年使って、私なりの結論は出ました。「LocalSend」というオープンソースアプリ、これがファイナルアンサーです。Wi-Fi経由でデータを爆速転送できるこのアプリがあれば、Mac、Windows、さらにほかのスマホへも自由にデータを投げ合えます。
公式の対応を待たずとも、自分の好きなガジェット同士をシームレスにつなぐ。OSの壁を越えてデータを自由にやり取りするこのハック感も、たまらなく楽しいのです。
「安さ」で妥協したわけじゃない
もし明日、iPhoneとNothingのスマホが同じ価格帯になったとしても、私はNothingを購入するでしょう。
Photo: 山科拓郎iPhoneは「多くの人にとっての最適解となり得る優等生」ですが、Nothingのスマホは「私のこだわりを120%満たしてくれる唯一無二の相棒」だと思うからです。スケルトンの背面、ドット絵のOS、光るインターフェース。すべてがお気に入りで、人から「それ、どこのスマホ?」と聞かれる頻度も増えました。
毎日手にするたびに、「純粋にワクワクできるスマホが欲しかった」。それが、2台目も迷わずNothingを選んだ理由です。
Source: Nothing, Google Play