習・プーチン両氏、新たな世界秩序ビジョン共有 SCO首脳会議で
[天津 1日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は1日、上海協力機構(SCO)の全ての当事者に対し、その「巨大な市場」を活用するよう促すとともに、米国に対抗する新たな世界安全保障・経済秩序構築への野心を示した。
SCOは新しいタイプの国際関係モデルを設定したとし、このフォーラムは外部からの干渉に明確に反対するとも述べた。
SCO首脳会議が中国北部の港湾都市、天津で31日から2日間の日程で開催された。
習氏は「われわれは平等で秩序ある世界の多極化を推進し、包摂的な経済のグローバル化を進め、より公正で公平な世界統治システムの構築を促進すべきだ」と述べた。
中国は今年、加盟国に20億元(2億8000万ドル)の無償援助を提供し、さらにSCOの銀行コンソーシアムに100億元の融資を行うと明らかにした。
また「われわれは、この巨大な市場を活用して、貿易や投資の円滑化レベルを向上させる必要がある」と述べ、エネルギー、インフラ、科学技術、人工知能(AI)などの分野で協力を強化するよう促した。
ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相をはじめ、中央アジア、中東、南アジア、東南アジアの首脳が開会式に出席し、グローバル・サウスの連帯を大きくアピールした。
プーチン氏は、相互決済において各国通貨がますます使用されるようになり、このグループは「真の多国間主義」を復活させたとし、「このことはユーラシア大陸における安定と安全の新たなシステム形成のための政治的・社会経済的基盤を築くことになる」と指摘。「この安全保障システムは欧州中心モデルや欧州大西洋モデルとは異なり、広範な国々の利益を純粋に考慮し、真にバランスの取れたものであり、一つの国が他国の犠牲の上に自国の安全を確保することは許されない」と語った。
SCOはユーラシア大陸の6カ国から始まったが、近年、正式な加盟国10カ国、対話パートナーおよびオブザーバー16カ国にまで拡大している。
習氏はまた、「冷戦的な考え方やブロック間の対立に反対」し、多国間貿易システムを支持するよう、組織のパートナーに呼びかけ、インドなどの発展途上国に不釣り合いな影響を及ぼしているトランプ米大統領の関税戦争を暗に批判した。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
Laurie Chen is a China Correspondent at Reuters' Beijing bureau, covering politics and general news. Before joining Reuters, she reported on China for six years at Agence France-Presse and the South China Morning Post in Hong Kong. She speaks fluent Mandarin.