G大阪電撃移籍のMF満田誠、大歓声巻き起こす鮮烈デビューも決意新た「本当に認めてもらうにはまだまだ結果が必要」

“ガンバクラップ”を先導するMF満田誠

[3.2 J1第4節 東京V 0-1 G大阪 味スタ]

 注目の新天地デビュー戦で早くもサポーターの心を掴んだ。ガンバ大阪のMF満田誠は電撃加入発表から4日後、2日の東京V戦に後半開始からトップ下で途中出場。持ち前のデュエル能力と運動量を活かしたプレーで立ち上がりから勢いをつけると、次第に幅広いエリアを動き回って攻守の中心に君臨し、終盤の決勝点に導く流れを作った。試合後には勝利の“ガンバクラップ”を先導する大役も担当。敵地に集まったアウェースタンドから大歓声を浴びていた。

 プロ1年目の2022年にE-1選手権の日本代表出場歴も持つ満田は今季、高校(ユース)時代から数えて足掛け7年目を迎えようとしていたサンフレッチェ広島で出場機会が得られず、2月27日にG大阪への期限付き移籍を発表。全体練習参加はわずか2日間だけというスクランブル出場だったが、新たな挑戦への気持ちは大いに高ぶっていた。

「今年に入ってガンバもあまり良い展開でなかったのは自分も把握していたし、自分自身も試合に絡めていないという状況の中、チームに声をかけてもらって、この試合にかける思いはすごく大きかった」(満田)  チームがシュート1本にとどまった前半45分間はベンチで戦況を見つめ、現状の課題と自身の役割を冷静に分析。ハーフタイム明けからピッチに立つと、五分五分のボールをことごとく収めるデュエル能力、相手のスペースを陥れる運動量と技術で圧倒的な存在感を示し続けた。 「相手がセカンドボール(の対応)だったり、コンパクトにしてくることで難しそうだなというのは外から見ていて感じていたので、相手が困る中間ポジションに立って相手のディフェンスを広げるところだったり、蹴られた後にセカンドボールの反応を意識してやることができたことで自分たちのボールの時間が増えて、攻めやすくなったのかなと思う」(満田)

 その中でゴールへの意欲も持ち続け、シュート数はチーム最多の4本を記録。フィニッシュの精度には課題を残したものの、後半36分にFW山下諒也からのクロスに反応するもわずかに届かず、激しくピッチを叩いて悔しがる姿も見せるなど、結果にこだわる熱量はたしかに周囲にも伝播していた。

 ようやく奪った後半40分の決勝点も、最後こそ左に開いたMFファン・アラーノのクロスからFWイッサム・ジェバリのヘディングシュートという流れだったが、起点となったのは試合を通じて相性の良さを感じさせた満田と山下の連係だった。「得点だったり、アシストをすることはできなかったけど、チームの勝利のために少しは貢献できたのかなと思う」。結果に関わる活躍はお預けとなったが、実り多き新天地デビューとなった。

 そんな鬼気迫るパフォーマンスはサポーターにも高く評価されたようで、試合後のゴール裏での整列では真っ先に「満田オレ!」のコールで迎えられていた。「本当に認めてもらうにはまだまだ結果だったりが必要になってくると思うけど、今日の試合でチームの一員になるには良かったと思います」。満田自身はそう控えめに振り返るも、早くも信頼を掴んだのは間違いなさそうだ。  もっとも長いシーズンはここからが本番。「今まで移籍をしたことがなかったし、紫以外のユニフォームを着たサポーター以外に応援されるのは初めてだったので違和感はあったけど、これからどんどん慣れてくるのかなと思います」。そう前を向いた満田は「チームの狙いや選手の特徴はまだまだ完全に把握できていないけど、期間を重ねて徐々に合わせていくしかない」と連係面の伸び代ものぞかせつつ、さらなる活躍を誓う。 「チームとして1-0で勝つことができたのは良かったと思うけど、自分も含めてまだまだゴールを決められるシーンがあった。こういう試合で2点目、3点目を取ることでもっと勝利の確率を上げていけると思う」 「1試合1試合もそうだし、練習であったり試合であったり、1分1秒を大切にして、一つ一つのプレーにこだわって、結果にこだわっていければと思います」  上々の滑り出しを経てもなお、ゴール・アシストといった結果への渇望は強まるばかり。心身ともに乗りに乗った状態で次節、昨季最終節でJ1優勝を逃して涙した因縁の地、そして新たなホームとなるパナソニックスタジアム吹田のピッチに立つ。 (取材・文 竹内達也)★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!●2025シーズンJリーグ特集

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