初の欧州「防衛債」、再軍備資金に投資家マネー集める-画期的商品

欧州の防衛費調達を目的とした初の債券が28日、フランスの銀行によって売り出された。受注額は27億ユーロ(約4600億円)を超え、市場の強い関心を示している。

   事情に詳しい関係者によると、BPCEグループは7億5000万ユーロ規模の債券を発行する。ユーロネクストが新たに策定した「欧州防衛債」ラベル付き債券となる。

  このラベルは、グリーンボンド(環境債)と同様に調達資金の使途が特定されている。環境関連事業の代わりに、防衛関連企業向けの資金として利用される。

  2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、防衛産業の資金調達に対する投資家の姿勢が大きく変化したことを浮き彫りにする画期的な商品だ。

  現在、防衛関連は欧州市場で最も注目を集めるセクターとなっている。メーカー各社が各国政府から殺到する大規模な注文に応えるべく対応を急ぐ中、かつて同業界を投資対象から外していた一部のサステナブルファンドでさえ、参入の動きを見せている。

  INGグループの金融セクター戦略責任者、モーリーン・シュラー氏は防衛関連の「使途を明確にした資金調達は、欧州が直面する巨大な課題を反映している」と述べ、「今後はこうした債券の発行が増え、銀行が欧州の防衛戦略の資金面での支援に乗り出すことになるだろう」と述べた。

  事情に詳しい関係者によれば、期間5年のBPCEの防衛債の条件はミッドスワップに85ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の上乗せで決まった。需要の高さにより、当初案の105-110bpから縮小した。

  戦火が自国の国境近くで続き、トランプ米大統領が支援の打ち切りを示唆する中、欧州連合(EU)の指導者たちはロシアに対抗し得る軍事的抑止力の構築を急いでいる。

  6月には、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が国防費を国内総生産(GDP)の5%に引き上げることで合意した。欧州諸国の安全保障費の低さに対するトランプ氏の度重なる非難に対応するものだ。

  こうした動きに支えられ、欧州株の指標であるユーロ・ストックス600指数では今年の上位5銘柄のうち4つを防衛関連企業が占めている。

  運用会社や銀行は、防衛支出の急増によるビジネスチャンスを巡って激しい競争を繰り広げている。

  BPCEの起債も、欧州の防衛熱を取り込もうとする試みの一つだ。同行の投資家向け資料によれば、防衛産業向けの融資額は既に従来比で2.5倍に、フランス製防衛装備品の輸出金融は7倍以上に拡大しているという。

  BPCEの債券は、取引所運営会社ユーロネクストが設計した新たな分類である「欧州防衛債ラベル」付きとなる。

  防衛債はグリーンボンドと同様の報告基準に基づき、資金の使途に関する年次報告書を外部の第三者が検証した上で公表することが義務付けられる。

  アバディーンの債券ポートフォリオマネジャー、ルーク・ヒックモア氏は「この仕組みにより、BPCEは批判を受けることなく防衛資金を調達できる。この債券を購入した投資家は、その資金が防衛に使われることを気にする立場にはない」と述べた。

原題:First European ‘Defense Bond’ Sale Aims to Tap Investor Frenzy(抜粋)

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