モルガンSやUBSも強気派に、AI主導の中国株ラリーは持続へ

中国株式相場が人工知能(AI)をテーマに大幅高を演じる中、ウォール街のストラテジストは、新たに見いだされた技術力を支えに強気相場がさらに続くとの見通しを示した。

  モルガン・スタンレーとJPモルガン・チェース、UBSグループのストラテジストらは、中国の新興企業DeepSeek(ディープシーク)のAIモデル登場で弾みが付いた株価上昇が持続すると予想している。ディープシークに対する世界的な衝撃と畏怖は、市場の魅力について根本的な再考を促し、中国が最先端技術で後れを取っているとする従来の想定に疑問を投げかけている。

  「世界の投資家は、長期にわたり注目度が低かった中国のテクノロジーおよびAI分野における投資適格性を再評価し始めている」と、ローラ・ワン氏らモルガン・スタンレーのストラテジストは11日付リポートで指摘。「世界の投資家の薄いポジションを考慮すると、この勢いは当面持続するでだろう」と付け加えた。

  MSCI中国指数は1月の最安値から約15%上昇し、アジア株の指数を上回るパフォーマンスを記録。香港上場の中国ハイテク株の指数は先週、強気相場入りした。

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  楽観論の高まりでバイサイドの動きが活発化しており、ヘッジファンドやフィデリティ・インターナショナルのような資産運用会社を引きつけている。AIブームが幅広い民間部門に利益をもたらすと中国が証明するにはまだ長い道のりがあるものの、貿易摩擦による下押し圧力の相殺には役立っている。

  UBSのストラテジストらは12日付のリポートで、第4世代(4G)移動通信ネットワークや第5世代(5G)、クラウドコンピューティングの時代における経験からみて、ディープシークがけん引する「今回のラリーはまだ半分にも届いていないように思われる」とし、潤沢な流動性と低金利を追い風にAI関連銘柄はさらに再評価されていくはずだと予想した。

原題:Morgan Stanley, UBS Join Bullish Chorus on China’s AI-Led Rally(抜粋)

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