「かなり焦りもあった」浦和MF金子拓郎、歓喜爆発の加入後初ゴール!! 圧巻の独走弾「抜いた後が一番緊張した」

歓喜爆発のMF金子拓郎

[4.25 J1第12節 浦和 1-0 広島 埼玉]  クラッキを信じてハードワーカーは走った。その先に歓喜の決勝点が生まれた。

 0-0で折り返して迎えた後半12分。浦和レッズが迎えていたのはチャンスではなくピンチだった。しかし、広島のCKが流れると、逆サイドにいたMFマテウス・サヴィオがボールを確保し、チャンスへと一転。サヴィオが自陣のゴールラインから1mほどの位置から高速ドリブルを始めると、それに合わせて中央のコースをダッシュで駆け出したのがMF金子拓郎だった。

 背番号77は瞬く間に広島DF佐々木翔を追い越すと、サヴィオからの絶妙なスルーパスを受け、ゴール前から飛び出してきた広島GK大迫敬介をするりとかわして左足でシュート。これが見事に決まった。

 無人のゴールだったとはいえ、100m近いスプリントの後のシュートだっただけに「(GKを)抜いた後が一番緊張した」と苦笑いしたが、「大迫選手が飛び出てきていたので、ドリブルで抜くスペースがあるなと思った。かわして落ち着いて決めることができた」と自画自賛した。  プロデビューを飾った札幌時代に一躍名を挙げ、クロアチアとベルギーでのプレーを経て今季から浦和の一員になった。パワフルなドリブルはもちろん、前線で二度追いのできるハードワーカーぶりがスコルジャ監督に評価され、コンディションを崩してベンチ外だった第8節清水戦を除く12試合に先発してきた。  ここまでビッグチャンスはいくつもあった。しかしゴールが遠く、前節まで無得点が続いた。 「正直、かなり焦りもあった。焦りがある中でプレーするのは良くないと思っていたので、なるべく早く点を取りたいという思いで毎試合やっていた」  そんな風に語る金子の苦悩を、スコルジャ監督も承知していた。1-0で勝利した後の会見で指揮官は「拓郎にとって非常に大事な瞬間だった。以前彼と話した時に、『まだ点が取れていない』と言っていた。ここで点が取れたことで、さらに落ち着いたプレーができると思う。つねにハードワークする選手なので、今日残した数字を大きくしていけると思う」と称賛した。

 同じく今季から浦和でプレーし、第6節・鹿島戦で既に得点を決めているMF松本泰志も「拓郎くんは得点を取れていないということで少し悩んでいた部分もあった。今日取って、これからたくさん取ってくれると思う」と称えている。

 ゴールが決まった後は言葉にならない雄叫びを上げた。「焦りがあったので(感情が)爆発したとのだと思う。正直、爆発させたのをあまり覚えていないですけど、嬉しかったです」。浦和はこれで4連勝。上昇気流にしっかりと乗っている。 (取材・文 矢内由美子) ★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!●2025シーズンJリーグ特集

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