トランプ大統領、前政権のプラスチック製ストロー廃止の取り組み撤回

Skylar Woodhouse、Jenny Leonard

  • 紙製ストロー、保守系から「行き過ぎ」と批判の対象-方針転換へ
  • 前政権の目標は2035年までに全連邦業務からプラスチック調達廃止

米国のトランプ大統領は10日、連邦政府機関内でのプラスチック製ストローの使用を段階的に廃止し、紙製品に置き換えるというバイデン前大統領の取り組みを覆す大統領令に署名した。共和党は、前政権による環境改革を長年問題視してきた。

  署名の際、トランプ氏は「プラスチックがサメに影響を与えることはないだろう。サメは海の中を動き回りながら食事をしているのだから」と述べた。

  この大統領令は、2027年までに食品サービス業務やイベント、包装、さらに2035年までに、すべての連邦業務から、ストロー以外の品目も含む使い捨てプラスチックの調達を段階的に廃止するというバイデン前政権の目標を覆すものとみられる。ホワイトハウスは、大統領令の全文を直ちに提供しなかった。

  バイデン氏は、脱プラスチックの取り組みにあたり、米政府の購買力を活用することで、プラスチックによる汚染を削減できる大きな一歩としていた。プラスチック廃棄物は、海洋汚染の原因となり、海に捨てられたプラスチックに絡まる鳥や哺乳類、その他の動物にとって有害であるとして、世界的に問題視されている。

  だが、政府やその他の場所でプラスチック製の代わりに紙製ストローの使用を奨励する取り組みは、トランプ氏や保守派の支持者から批判の的になっている。紙製ストローはプラスチック製に機能が劣り、この取り組みは行き過ぎで、米国の消費者の好みを無視しているとの声が挙がっている。

  トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に「歪んだ前大統領の命令、『プラスチックストロー禁止、紙製のみ』は廃案だ!口の中で溶ける嫌なストローなしで、次のドリンクを楽しもう! 」と投稿した。

原題:Trump Reverses Biden Action to Replace Plastic Straws With Paper(抜粋)

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